京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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第23回日本再生医療学会総会に参加

自分自身のPCが開けないというトラブルに見舞われていたため、久方ぶりのコラムです。

今回は先日、3/21-23と新潟朱鷺メッセで開催された第23回日本再生医療学会総会に参加しましたので、そのお話をしたいと思います。

当院グループからは「脳動静脈奇形からの脳出血後、早期に幹細胞培養上清の点鼻投与を行い、社会復帰できた小児の一例」と「脂肪提供者の年齢別間葉系幹細胞のサイトカイン分泌の比較」の2演題発表しました。再生医療のなかの幹細胞治療もまだまだ研究レベルでの発表が多いものの、実臨床における経験などの発表も散見されました。また昨年末に死亡事故が発生し問題となったエクソソーム治療についても活発な意見交換がなされており、非常に勉強となった学会でした。

今回改めて感じたことは、自分自身や当院のスタンスとしては今までと変わること無く、まずは『安全』です。実際、幹細胞培養上清点滴を打ちたいといらっしゃった方々に対して、望んでおられる方向性をカウンセリングでしっかり確認し、こういったアプローチが現状どういった医学的な位置づけであるのか、潜在的なリスクも含め十分に説明申し上げています。また、それらの治療が奏功し日常生活レベルが非常に上昇した脳梗塞後の患者様、心血管疾患発症リスクの軽減を得ることができた方、頸動脈プラークの退縮を認めた患者様などの経験もあります。目の前の患者様の治療において先進的であるこの幹細胞治療や幹細胞培養上清を用いたアプローチの妥当性が、潜在するリスクを上回るのか否かという検討は非常に重要であると考えます。

保険診療でカバーできるリハビリテーションを終了した脳梗塞後の患者様に対して、当院では再生医療を含めたリハビリテーションをハイブリッドで実施しており、実際に良い経過を得てご継続されている患者様もいらっしゃいます。幹細胞治療や幹細胞培養上清治療の特性を考えると、脳梗塞を発症され急性期の標準治療を終了しご退院された時点、つまり早い段階から当院での再生医療とリハビリテーションとのハイブリッド介入ができれば効果を出しやすいと考えています。リハビリテーションも通常のものとは異なり、様々な手法を駆使した独自の方法論にて当院トレーナーが実践します。脳梗塞を発症され、標準治療やリハビリテーションを受けてもなお十分な回復が無く日常生活に不自由を感じておられる方や、外出が億劫になり気持ち的に塞ぎ込んだり様々な方がおられるかと思います。当院で実施していることは先進的な医療アプローチにはなりますが、十分なカウンセリング、話し合いのもとで最適解を一緒に導き出して患者様の人生の歩みに伴走したいと願っています。

『幹細胞培養上清治療』に加えて「生活習慣病に伴う動脈硬化症」に対する『幹細胞治療』について近々認可を受ける予定で進めています。現状の標準治療では改善の難しい状態におられる患者様に対して、安全かつ責任を持ってこの治療を進めていきたいと考えており、今回の第23回日本再生医療学会総会への参加はそれに向けて方向性を示してくれるものとなりました。

https://kyoto.krg.or.jp/prevention/stemcells/(幹細胞培養上清点滴)

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