京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

TOP > 予防治療 > NMN点滴

予防治療NMN点滴

1、NMNとは?

ビタミンのような働きをする成分で、正式名称は「ニコチンアミドモノヌクレオチド」。
ヒトやあらゆる生物に存在し体内で自然に生成されている生物ですが、年齢とともに減少することで、様々な体調面の変化を感じられるようになると考えられています。最近の研究では長寿遺伝子郡(サーチュイン)を活性化させることが確認され、若々しい健康の意地に関連した注目の成分として、世界中で話題を呼んでいます。ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は、リン酸基とリボースおよびニコチンアミドを含むヌクレオシドとの反応によって自然に形成される生物活性ヌクレオチドの一種です。NMNは細胞のエネルギー源として利用できます。ニコチンアミドモノヌクレオチド(NAD+)生合成の中間体として知られています。食品では枝豆やブロッコリーに多く含まれていますが、100mgのNMNを経口摂取する場合、40kg(約2000房)ものブロッコリーを食べなければ摂取できません。

2、NMNとNAD+

「NMN」は体内に吸収されたのち全身の隅々に届けられ、NDA回路と呼ばれるサイクルに基づき「NDA+」に変化すると考えられています。
NDA+はすべての生物種の至る所に存在しており、エネルギーリズムを担うさまざまな酵素の働きをサポートしたり身体機能の保つ役割をもちますが、身体環境をサポートすることで若々しい健康を維持できることが分かって来ています。しかし、分子量が大きくそのままの形では、体の至る所に直接届けることが難しいと考えられていました。体内のNDA+は、10代後半頃をピークに加齢とともに減少し、40代でピーク時の半分になります。NDA+が不足することで若々しさが失われてしまうだけでなく、糖尿病などの疾病の原因になることが知られています。従来の研究で、NMNの投与によってNAD+が増加し、加齢による疾病を抑えられる可能性があると示唆されています。
NDA+は、様々な酸化還元反応を媒介する必須の補酵素です。時にミトコンドリアのNDA+は、トリカルボン酸(TCA)サイクル、脂肪酸酸化、酸化的リン酸化などのエネルギー生産経路において重要な役割を果たしています。また、NDA+は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)およびサーチュインによるADP-リボシル化および脱アセチル化の基質としても機能します。このように、NDA+はエネルギー代謝、DNA損傷修復、遺伝子発現、ストレス応答を制御しています。アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、網膜変性疾患などの神経変性疾患では、NDA+代謝が関与していることが多くの研究で明らかにされています。NMNは、現代の治療法に新たな未来を切り開く可能性があります。この生体分子は、心筋や脳虚血、アルツハイマー病などの神経変性疾患、糖尿病を含むいくつかの前臨床疾患モデルで多数の有益な薬理活性を実証しています。最近では、マウスモデルでの抗老化作用、寿命延長作用が発見されたことから、NMNは治療薬候補としての魅力を増しています。その薬理作用の多くはNAD+合成を促進することで行われますが、NAD+を直接高用量で投与すると不眠、疲労、不安などの副作用を示すことがあり、またNMNに比べて細胞膜への浸透性が悪いことから、NAD+合成を促進することで薬理作用を発揮します。
ADやPDなどの神経変性疾患では、ミトコンドリアの機能不全が重要な病因であると考えられています。ミトコンドリア機能には、適切なNAD+レベルを維持することが重要です。実際、ADやPSではNAD+レベルの低下が観察され、NAD+前駆体の補給はミトコンドリア機能を活性化して疾患表現型を改善する可能性が示唆されています。また、NAD+代謝は、末梢神経障害や神経変性疾患の特徴である軸索変性にも重要な役割を果たしています。また、緑内障やレーバー先天性黒内症などの網膜変性疾患では、NAD+代謝異常が関与しており、NAD+代謝はこれらの疾患の治療標的と考えられています。

3、NAD前駆体物質の比較

NAD+前駆体は、NMNの他にニコチン酸やニコチンアミドなどがありますが、それらはNMNとは異なり治療用途の点でいくつかの欠点があります。最近の前臨床研究はニコチンアミドは、肝毒性または紅潮を引き起こす可能性が示唆されています。

4、効果の期待できる疾患

  • 老化(エイジングケア)
  • 神経疾患
  • 糖尿病
  • 眼機能
  • アルツハイマー病と脳内出血
  • 肥満とその合併症
  • 虚血再灌流障害

5、具体的な効果

  • サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)の活性化
  • 若々しさがよみがえる
  • 体力がよみがえる
  • 頭がスッキリする
  • 思考力・集中力が高まる
  • 代謝が上がる
  • 熟睡できる
  • 運動中の呼吸が楽になる
  • エストロゲンの上昇
  • 肌のキメがアップ
  • ミトコンドリアの活性化
    ※観察研究により効果を検証中

6、NMNと老化

老化は、膵臓、骨格筋、肝臓、皮膚、脂肪組織、脳などの複数のぞうきにおけるNAD+の枯渇により、ミトコンドリアによるエネルギー産生が低下することを特徴とする人間の自然現象です。
ミトコンドリア機能の低下とは別に、加齢はDNA損傷、認知障害、サーチュイン遺伝子の不活性化などの生物学的変化にも関連しており、これらはNAD+によって修復することができます。NAD+レベルの低下は、加齢に伴うDNA損傷にも関連しています。
NMNは肝内NAD+濃度をそうかさせ、DNA損傷の修復におけるPARP1活性を増加させることから明らかになっています。血管系の衰えもまた、老化の過程でとく見られる現象です。これはフリーラジカルによる酸化ストレスを伴うためです。NMNの投与による逆転についても有効であることがわかっています。
骨格筋、白色脂肪組織、肝臓、免疫機能などの代謝器官における特定の遺伝子の発現も加齢とともに低下し始めます。海外でマイクロアレイを用いた評価の結果、骨格筋の300の遺伝子のうち76.3%、白色脂肪組織の360の遺伝子のうち73.1%、肝臓の513の遺伝子のうち41.7%がN M N処理によって発現が上昇していることを明らかにしました。これだけでなく、高齢化したマウスへのNMN投与の結果、免疫代謝系、特に白色脂肪組織の免疫細胞の発現増加、好中球の減少やリンパ球、サイトカイン活性、白血球活性の増加などの血液学的状態の改善が見られました。前述したように、体重の増加やエネルギー代謝や運動機能の低下、加齢によるインスリン不感症やトリグリセリド値の上昇などの脂肪に関連した合併症も加齢と関連しています、これらの条件は、12ヶ月のNMN介入によって逆転しました。

7、サーチュイン遺伝子の活性化

長寿遺伝子または長生き遺伝子、抗老化遺伝子とも呼ばれ、その活性化により生物の寿命が延びるとされています。サーチュイン遺伝子の活性化により合成されるタンパク質、サーチュイン(英語 Sirtuin)はヒストン脱アセチル化酵素であるため、ヒストンとDNAの結合に作用し、遺伝子的な調節を行うことで寿命を延ばすと考えられています。
サーチュイン遺伝子の一種であるSIRT1遺伝子を欠損させたマウスで記憶障害が見られ記憶の調節に関与する可能性があり、さらにアルツハイマー病と筋萎縮性側索硬化症の動物モデルで神経変性疾患治療への応用を示唆しています。
SIRT1-activatorはアルツハイマー病等の神経変性疾患、動脈硬化、心不全、慢性閉鎖性肺疾患、炎症性腸疾患、2型糖尿病、肥満、筋肉減少症、廃用性萎縮症に効果が期待されています。ヒトを含む哺乳類では7種類が見つかっておりSIRT1〜7と命名されています。

SIRT1
核内受容体PPARγのコファクター1(PGC1α)の活性化で、糖新生、脂肪酸酸化、およびミトコンドリアの活性化を促進する。

SIRT2
SIRT2はSIRT1と同様に異常に強い脱アセチル化活性を示す酵素で、PEPCK1の脱アセチル化を介した糖代謝やFOXO1の脱アセチル化を介した脂質代謝の制御が見出されている。またSIRT2はがん制御遺伝子であることが示唆されており、SIRT2のノックアウトマウスでは発がん率の上昇が認められる。
一方で、中枢神経系でのSIRT2の働きも大変興味深い。パーキンソン病は加齢に伴い発症が高まる神経変性疾患で、神経細胞疾患にはα-synucleinタンパク質の蓄積と封入体型形成の関与が示唆されている。神経細胞においてSIRT2を阻害するとα-synucleinの封入体型形成を制御し、神経毒性が軽減されることが見出されており12)、神経変性疾患に対する創業薬標的として注目されている。

SIRT3
ミトコンドリアでは多くのタンパク質がアセチル化されており、エネルギー代謝にかかわるタンパク質が多く含まれるが、SIRT3を欠損させたマウスでは、他のサーチュイン(SIRT4とSIRT5)存在下でもミトコンドリアに局在する多くのタンパク質のアセチル化が亢進することから、SIRT3はミトコンドリアの主要な脱アセチル化酵素であると考えられている。

SIRT4
SIRT4の発想は、さまざまなDNA損傷ストレスによって誘導され、これによりグルタミン酸デヒドロゲナーゼを介したグルタミン酸の補充反応が制御されることで細胞の増殖が停止する。逆にSIRT4の欠損は、細胞の増殖制御やDNA修復に異常をきたし、染色体異常を蓄積させる。

SIRT5
SIRT5が1型カルバミルリン酸合成酵素(CPS1)を脱アセチル化して尿素回路を制御することが知られているが、一方で、NAD+依存的にリジンの脱スクシニル化活性を有するころも見出されている。

SIRT6
これまでにSIRT1〜SIRT7まですべてのノックアウトマウスが作製されているが、SIRT6のノックアウトマウスは最も顕著な早期老化様症状を示すことが知られている。SIRT6のノックアウトマウスは、生後約2〜3週間までは正常に発育するが、その後急速に、皮下脂肪の低下、骨密度の低下、脊椎彎曲、リンパ球の減少などの老化様症状を呈し、1ヶ月で死に至る。

SIRT7
がん細胞でSIRT7の発現を制御すると、足場非依存性増殖能の低下や、マウスでの腫瘍形成能が著しく阻害されることから、がん細胞の増殖や形質維持に働いていると考えられている。一方で、SIRT7が結合している遺伝子には数多くのリボソーマルタンパク質が含まれており、またSIRT7はrRNAの転写制御への関与も報告されていることから、タンパク質合成系を制御している可能性が示唆されている。

8、NMNとミトコンドリアの活性化

ミトコンドリアの細胞の中にあり、消化吸収した栄養素をエネルギーに変えてくれます。そのミトコンドリア自身はエネルギーを生み出す過程で、活性酵素を発生させます。若い細胞中のミトコンドリアが排出する量は少なく、加齢した細胞中のミトコンドリアは多く排出します。活性酵素は体に害があるばかりでなく、ミトコンドリア自身もダメージを受けてしまい、さらに活性酵素排出量が増えてしまいます、ダメージが蓄積されたミトコンドリアはエネルギー生産量が落ちてしまい老化につながります。

NMNは、骨格筋、肝臓、心臓および眼を含むさまざまな代謝器官においてミトコンドリア機能を改善することが報告されています。NMN処理マウスは、骨格筋のミトコンドリア酸化性リン酸化を増加させ、全身のエネルギー消費を増加させることで体重減少に寄与している可能性が高いと報告があります。

9、NMNに関する論文

参照論文
1) NAD+中間体:NMNとNRの生物学と治療の可能性 2018

2) ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の補給は、高齢マウスの神経血管の若返りを促進します:SIRT1活性化の転写フットプリント、ミトコンドリア保護、抗炎症作用、および抗アポトーシス作用 2020

3) NAD+ Repletionは、生殖年齢の女性の生殖能力を救います 2020

4) ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)補充は、老化したマウスの大動脈における抗老化miRNA発現プロファイルを促進し、エビジェネティックな若返りと抗動脈硬化作用を予測します 2019

5) NADの6時間静脈内注入時のヒト血漿および尿NAD+メタボロームの変化を調査するパイロット研究 2019

6) 神経変性疾患の病態生理学および治療におけるNAD+代謝の影響 2019

7) ニコチンアミドモノヌクレオチド。ポテンシャル分子の多様な治療応用の探究 2019

8) ニコチンアミドモノヌクレオチドは、β-アミロイドオリゴマーによる認知機能障害と神経細胞死を防ぎます 2016

9) 実験医学 Vol.31 No.20 (増刊) 2013

10) 「ニコチンアミドモノグクレオチド」(NMN)の心血管代謝機能(NMN)に対する効果
ワシントン大学医学部 臨床研究中

N M N点滴の禁忌、副作用

血管痛 ※観察研究により継続して検証中

未承認医薬品等であることの明示、入手経路等の明示

本治療に用いる遺伝子は、医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものです。 院内調剤(一部外部委託)として、適法に調剤しています。 日本では、未承認医薬品を、医師の責任において使用することができます。

国内の承認医薬品等の有無の明示

本治療に使用できる同一の性能を有する他の国内承認医薬品はありません。

諸外国における安全性等に係る情報の明示

主要な欧米各国で承認されている国はありませんが、ワシントン大学医学部を始めとして、臨床試験(二重盲検無作為化試験)が開始されています。
日本は、慶応大学医学部のグループが臨床試験を行い、ヒトに安全に投与可能であると結論付けています。
現時点では、重大な副作用の報告はありません。

TOP