病気を発症しても医学の発展により治療法が存在していることが多く、医薬品によって症状の緩和を得られることが多くあります。一方でそれはカラダが治っているのでは無いのは自明です。私自身も様々な医薬品を処方して治療を実施してきた者として、その効果やエビデンスは理解しているものの、それがその患者さんの健康ライフへと繋がっているのか否かは常に考えておく必要があると思っています。例えば、高血圧の患者さんには降圧剤を処方します。内服することで目標血圧に到達することが多いのですが、それは高血圧が治ったわけでは無いということです。イメージで言いますと、表面に出ている火を一旦消しているようなもので、その火の原因になっている根本の部分は変わっていないということです。根元の火が消えていない状況が続けば続くほど、高血圧以外の次の疾患が出てくる可能性があり、そうなると次の医薬品が追加されてコントロールを図ります。忙しく日々を過ごす現代人にとって、その日その日を元気に過ごし、表面に出ている火をその都度消しながら人生を全うするという考え方、それも一つの選択肢かと思います。一方で、健康寿命と言われる人生のより良い時間を長く過ごすためにできることを考えた時、それがアンチエイジングというアプローチです。アンチエイジングを目標とした際、人間が細胞から構成されている生命体であることから、一つ一つの細胞が上手く機能していく環境をお膳立てしていくことで、その結果カラダ全体として上手く機能していくことができます。では、「一つ一つの細胞が上手く機能していく環境をお膳立てする」というのは何をすれば良いのでしょうか？？そもそも自分自身の細胞がうまく機能できるような状態にあるのか否か、、、当院では、保険診療で用いることの無い様々な検査を使って、その評価と現在の状態への対策を提案し、病気の発症をできるだけ防いで健康寿命の延伸に繋がるようアプローチを続けます。種々の検査やアプローチについてはこれからのコラムでも折に触れてお話をしていきます。