京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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自然に触れてストレス緩和

自宅近くの畑を所有されている方が、ご高齢の為畑の一部を無料で貸してくださり、6月上旬から農園活動を開始し、トウモロコシ、トマト、スイカなどを子供たちと勉強しながら作っています。自然での活動をしているとカラダも良い具合に疲れ、ご飯も美味しくグッスリ眠れます。今回はストレス緩和に農園活動はどうですか?ということでお話をしたいと思います。

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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。

「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/

コラム内容のラジオ録音  

◆農園活動の魅力

健康の維持には十分な栄養と自律神経のバランスが整っていること、命に感謝して人生を生きていることなど様々な要素が必要だと個人的には思っていますが、農園活動をしているとそういった要素が揃っているように感じています。

◆農園活動とストレス緩和

順天堂大学の先生方の調査によると、体験型農園で収穫体験をされた40人程度の方々の収穫前後のホルモン値などの推移結果は、コルチゾールなどのストレスホルモンが減少し、幸せに繋がるオキシトシンは増加傾向にあったというものです。これは体験型農園での話ですので、ご自身が種を蒔いて水をやって育てて収穫するというものでは無いですが、それでもこういった結果が出ているのは、外で日光を浴びながらカラダを動かして土に触れて自然の中の空気を吸い込んで、虫がいて、人とコミュニケーションを取ってという非常に古典的な労働というものが精神的な健康維持に意義がありそうだと捉えることができると感じています。忙しい方には体験型農園が実行に移しやすいかもしれませんが、私のように数家族で共有して畑を持つというのも良いかなと。作業を分担して作っていく過程の紆余曲折、喜怒哀楽、そこにコミュニケーションも生まれてきます。我々の畑もどうなっていくか分かりませんが、収穫できる頃にまたご報告ができればと思っています。

◆自然と健康維持

同様の報告は様々ありまして、2017年の東京大学農学部の先生方の発表でも、多くの報告の結果から、うつ病や不安の軽減、BMI(肥満の程度を表す数値)の低下、生活満足度や生活の質、地域の結束感の向上など、さまざまなポジティブな結果が期待できるということが示唆されています。この辺りはデータというよりは感覚的な部分も大きいかと思いますが、閉塞的な世の中が続くなかでキャンプをする人が増加しているのも自然な流れのようにも思っています。「自然から離れるほど病気に近づく」医学の父と呼ばれる古代ヒポクラテスの言葉ですがその通りで、だからこそ多くの人々が自然を求めているのだろうと考えます。個人的な話ですが農園活動といっても良いことばかりではなくて、春頃自宅にて作っていたイチゴは(結構良い感じで甘みも良く作れていたのですが)いつからか何者かに食べられていました。息を潜めながら近づいて犯人の決定的瞬間をスマホに収めると、小鳥が機嫌よくついばんでいましたね。こんな感じで良い結果ばかりが待っているわけではなく、かといって悪い出来事のなかにも新しい発見があって、人生そのものと非常に似ているなと興味深く捉えています。

◆自然の中でリフレッシュ

今回は農園活動のお話でしたが、釣りも良いなと個人的には思っています。私は船に乗るわけではなく港で釣っているだけですが、それでも釣った魚を持って帰って天ぷらにして頂くと、さっきまで生きていた命を頂いて自分たちは生きているのだと改めて思いますし、子供にもそういった話をしています。自然と共存している感覚というのは、健康を考えるうえでは必須のものだと思っていますが、古典的な考え方かもしれません。一度そういったことを休日に取り入れてもらえるとストレスを軽減する何か一つの選択肢にもなるのかなと思っています。

◆カラダに良いとされる食材『スイカ』

共同の畑でスイカの苗も植えてみたのですが、今のところ上手くいっておらず、非常に残念です。水分摂取はもちろん、実はリコピンやβカロテンという抗酸化物質も多く含んでいるので夏に最適な食材だと思います。これから夏本番、ぜひご活用ください。

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