京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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痛風の原因と対処法

日常診療で痛風の患者様や尿酸が高い患者様に対して、ガイドラインに従って治療を提供し多くの患者様に薬を処方してきましたが、もう少し深堀りをして「痛風のよもやま話」をさせていただければと思います。

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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。

「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/

コラム内容のラジオ録音

◆痛風発症のメカニズム

痛風はご存じの通り、「風が吹いても痛い」というくらいの激痛が親指の付け根や足の甲など関節に起こる病気です。高尿酸血症と言い、血液中の尿酸値が高い状態が背景にあります。

なぜ痛風が起こるのか簡単に説明しますと、①血液中に過剰に溜まった尿酸が関節の中に蓄積→②それを異物として認識した白血球が、異物を排除しようとして集合することで炎症が起きます(痛風発作)。炎症ですので、熱を持ちますし痛みも発生します。

、痛風発作が起きた際には第一にこの炎症を抑える必要があるのでNSAIDと言われる消炎鎮痛剤(痛み止め)がまずは処方されます。炎症が治まっても尿酸が高い状態が続いている限りは、再び関節に尿酸が蓄積白血→球が集まって攻撃するという流れを繰り返すことになりますので、次に尿酸を下げる薬が登場します。一般的にはこのような流れで治療が行われております。

尿酸が高いことによる弊害

実はこの過剰な尿酸の蓄積が、痛風以外に慢性腎臓病という腎臓の機能の低下に繋がっていくことは理解しておいていただきたいことです。その理由の一つに活性酸素・酸化ストレスの関与が考えられています。酸化ストレスが過剰な状態となると、他の生活習慣病も引き寄せますし、血管の細胞などにも悪影響が出てくると心臓や脳などの血管系の疾患へも繋がっていきます。尿酸と言えども、あなどることはできません。話は少しずれますが、コロナウイルス感染症の重症化リスクの一つとして慢性腎臓病が挙げられているのも、この過剰に蓄積している酸化ストレスが影響しているのではないのかと思っています。

◆痛風を発症したら、どうしたら良い?

一旦は内服薬を使用して①炎症を抑える、②尿酸をキッチリと下げるというのが目標になります。エビデンスのある内服薬はキレが良いので、内服を始めるとスっと尿酸値は下がっていきますが、それは治っているわけではありません。

長い人生を考えると(それぞれの価値観によりますが)やはり土壌であるご自身の身体を変えていくことを忘れないでいて欲しいと思います。私が経験では、一旦尿酸値は下がりましたが、それ以上の介入がなく数年後には他の生活習慣病が出てきたり尿酸値が再度上昇し薬剤が追加になっていくということがよくありました。病気が出てきたということは何かしらのメッセージをカラダが示しているということですので、それに気づいてあげて、やはり生活習慣を変えていくほかないのかと思います。結局は食事と運動ということですね。野菜や海藻類、キノコ類など日々バランスの良い食事をすること、そして運動は無酸素運動じゃなくてウォーキングのような有酸素運動を水分をしっかり摂取しながら週に半分くらいの頻度で継続すること、この2つに尽きると思います。

◆やっぱり“食事”と“運動”が要

腸内細菌が喜ぶよう昔の日本人の食事に改めて目を向けることが大切とお話をすることがありますが、江戸時代までは日本に痛風はなかったという記録もあるので、日々の食生活が健康に与える影響は非常に大きいというのは間違いないのではないかと思います。とはいえ多種多様なライフスタイルの現代社会において難しいところもあると思いますので、日々ご自身が食べているものに気を配るだけでも何か変わってくるのではないかと思います。 ストレスフルな現代社会ですので暴飲暴食される方もいると思いますが、その背景に「脳疲労」が関与している可能性もあります。そういった観点から生活習慣病へアプローチすることも当院では説明させて頂いています。疲れたーって帰宅して少しお腹空いているだけなのにポテトチップス全部食べてしまうみたいなご経験を持っておられる方も多いのではないかなと思います。そういったときに「あぁ、脳が疲れているなぁ」と自覚して頂き、お風呂に時間をかけて入るとかストレッチしてみるとかやってみるのも良いかもしれません。生活習慣を変えるのは相当大変ですし息切れしてしまっては意味がないので、90点や100点を取りにいかずガス抜きしながらも合格点を目指して頂ければと思います。

◆カラダに良いとされる食材『リンゴ』

「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」の言葉通りで、アレルギーが無ければ「リンゴ」は特に秋から冬にかけて良い食材です。迷ったら旬のものを取りましょうということですね。我が家でも夕食後小腹が減ったときに食べたり、朝にヨーグルトと合わせて食べたり…みたいなカタチで季節を感じて頂いています。食物繊維も豊富なのでぜひ自然栽培で作られたリンゴを皮ごと頂いてもらえればよいのではと思います。

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