京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

TOP > コラム > 健康ライフのために貯筋しましょう

健康ライフのために貯筋しましょう

突然ですが「フレイル」という言葉をご存じでしょうか?加齢に伴いカラダの機能が落ちてくることを意味していますが、今回はこのフレイルのお話と、どのようにフレイルに向き合っていけばよいのか、お金の「貯金」も良いですが是非筋肉の「貯筋」もしてください、というお話をさせて頂きます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。

「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/

コラム内容のラジオ録音   

◆「フレイル」とは?

厚生労働省はフレイルのことを「加齢とともに心身の活力が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態」と定義していますが、フレイルは適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像とも言っています。結局のところ「年齢が上がってカラダもココロも衰えるなかで生活にも支障が出てきますが、それは介入次第では解決することができそうですよ」ということです。健康な状態と、サポートが必要な介護状態との中間地点みたいな意味合いです。

◆フレイルの原因

原因となるのは「カラダの虚弱」、「社会性の虚弱」、「ココロの虚弱」の大きく3つがあると言われています。それぞれが相互に関与していますから、この介入だけをしておけばフレイルを解決できるという答えは無いの ですが、この3つの介入を何もやっておかないとそれぞれが関与しながら徐々に状態は悪化していくということだけは確実に言えるのではないでしょうか。

◆「自分が弱っているな」と判断する基準

皆さん自身がそう言った状態にいるのか否かを知るためには、どういった方がこのフレイルというものに当たるのかと言うところを知っておく必要があります。今から挙げる5つの項目のうち3つ以上あてはまるとフレイルと診断することが多いです。

①1年間で4.5kg体重が減っている

②疲れやすくて週3-4日怠いと感じる日がある

③歩くスピードが落ちた

④握力が落ちた

⑤カラダを動かす頻度が減った

上記5つのような状態にいきなりなるわけでは無く、徐々にそういった状態へと近づいていきます。早い段階から目を向けて、予防していただきたいと考えます。

◆フレイルと病気との関連性 

フレイルになっていると、どのような病気になりやすくなるのでしょうか?代表的なものとして糖尿病や認知症などが挙げられます。糖尿病患者はフレイルになりやすく、フレイルを合併すると死亡リスクが高まることも報告されていますね。一方、フレイルがあると糖尿病の発症リスクが高まるとの報告もあり、この両者は相互に影響し合っていると考えられています。認知症に関しても同様で、フレイルがあると認知機能は低下しやすく、認知機能が低下すると筋力や身体活動量が低下してフレイルに至るといった相互的な関係になっています。ですので、糖尿病や認知症に対して投薬による疾患治療を受けるだけでなく、筋力を上げるための適切な運動や食事で摂取する栄養素の見直し、社会性を維持するための仕事・ボランティア活動・地域のコミュニティの催しものなどの行動といった、他にもできる介入というのが沢山あるということを知っておいて頂ければと思います。それらは一朝一夕でできるものではありませんから、早い段階から意識して、病気と付き合っていくことをお勧めしています。

◆やっぱり運動や食事が重要

以前NMNというビタミンの一種のお話をしましたが、65歳以上の糖尿病患者さんを対象にした研究でNMNを摂取することで歩行速度や握力が改善する、つまりは「フレイル」が改善していく傾向にあったという結果が出ていますし、軽度認知症に対しては早期発見の検査や臨床研究でも用いられているサプリメントを使用した対応をしています。これに加えて、いわゆるボディコンディショニングと言いますか全身の筋肉の状態を把握して適切な運動処方をということで理学療法士の方による根本的にカラダを変えるための施術もクリニックで行えるようにして、ワンストップでフレイルの原因にアプローチができればと考えています。何か気になった方、特にフレイルはご自身で気づくよりもご家族など周囲の方が気づくケースも多いですのでそういった兆候を見逃さずに一度ご相談いただければと思っています。

◆カラダに良いとされる食材『高野豆腐』

今回フレイルのお話でしたが、筋肉自体はタンパク質からできていますのでタンパク質豊富な高野豆腐を選びました。高野豆腐自体はカルシウムも実は豊富に含んでいますので骨の強化にも繋がりますし、食物繊維も豊富に含まれているので腸活にも良いです。この日本伝統のスーパー食材はぜひ、お食事に積極的に使用して頂けたらと思います。

TOP