京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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夜のドカ食い症候群?

前回のコラムにて痛風のお話をしましたが、やはり食生活、運動習慣を含めた生活習慣を見直して修正していくのが「はじめの一歩」であるということでした。今回は「夜食症候群」、いわゆる「夜のドカ食い」というもので、皆さんもご経験あるかと思います。これは厚生労働省が注意を呼びかけている摂食障害の一つで、これが慢性化している人はメタボリックシンドロームや糖尿病のリスクがあがると指摘されています。いつでもどこでも何かを買う事ができる時代で、ヒトが抱えるストレスは増加していますのでその辺りの認識を持ってもらえればということでお話をさせて頂きます。

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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。

「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/

コラム内容のラジオ録音

◆夜食症候群とは?

夜食症候群は名称から分かるように、夜のドカ食いを止めることができず慢性的に続いている状態のことを示しています。1日の摂取カロリーの25~50%以上を夕食後に取っているとその可能性があるとされていて、例えば40歳代男性だと1日摂取カロリーは2500kcalくらいが適正ですので、夕食後に600kcal-1000kcalくらい取ってしまう場合にその可能性があるということになります。 ポテトチップス1袋で約500kcal、缶ビール1本は150kcalとして、缶ビール2本飲んで他のアルコールも飲んでポテチを半分食べると残念ながらアウトです。不眠症やうつ状態を合併していることも多いので「単なる夜のドカ食い」と侮れません。ご飯食べて帰宅してお風呂に入って9時頃にお風呂から上がビールでも飲んでいると何かつまみたいなと、家にあるスナック菓子食べたりとか甘いもの食べたりとか、お腹が空いている訳でもなくビールと共に何故か食べてしまい…そして翌朝胃がもたれているといった経験をされた方も多いのではないでしょうか。これは個人の我慢とか根性や努力が足りないという問題ではなく、ストレス因子や自律神経、ホルモンなど様々な要因が関与していると言われています。特に、30-40代の働き盛りの世代に多いと言われており、慢性的な過労状態、止まらない情報化社会でストレスが多く脳疲労も背景にあるのではないかと個人的には思っております。胃から分泌されるグレリンという食欲を亢進させるホルモンや脂肪細胞から分泌されるレプチンという食欲を抑制させるホルモンが関与していることや、睡眠時間が短くなるとこの食欲亢進ホルモンは増えて、食欲抑制ホルモンは減るという悪循環に陥ることも分かっています。そうやって働き盛りの30-40代の睡眠時間が短くなりストレスも抱えながら「夜のドカ食い症候群」によって着々と50-60代での生活習慣病の発症に向けてカロリーを蓄えているといったイメージで捉えています。生活習慣病のみならず、精神的な病気、うつ病や不眠症などへも繋がってきますのでやはり要注意な疾患です。

◆「夜のドカ食い」対策方法

まずは自分の生活を振り返ってみることが大切です。そもそも現状の把握ができていない限り次のアクションには繋がらないので、まずは1週間で良いのでご自身の夕食後以降の行動をメモに取ってみてください。自分の脳に認識させるため、お菓子を食べる前に一度カロリーの記載を見てから食べてみることをお勧めします。1週間メモしたものを振り返り、1日の適正な摂取カロリーの25%以上取っているようでしたら、何か一つ行動を変えて頂ければと思います。対策としてはストレスを溜めないことが根本的なところですが、とは言ってもストレスは必ず溜まるので、一歩目として睡眠時間を確保することを意識してもらえたらと思います。テレビやスマートフォン、タブレット、PCなどのブルーライトの影響も示唆されているので夜くらいは触らないほうがよいと思いますが、仕方がない場合には眼鏡など対策をすると良いかもしれません。今はコロナのこともあり難しい状況ですが私自身は「銭湯やサウナ」を利用して、帰宅後に布団でストレッチすることでストレス緩和と脳疲労改善、睡眠の質向上を図っています。エビデンスと言われればありませんがこれは効果的だと考えています。脳疲労は「夜のドカ食い症候群」との関連性以外にも睡眠障害や認知症、うつ状態などとも関連性があり、水素吸入やサプリメントなどのアプローチも当院ではやっておりますのでまた気がかりな方はご相談頂ければと思います。30-40歳代は「未病」状態の方が多いと思いますが、この「夜のドカ食い症候群」を慢性的に継続していると未病から病気の状態に1歩ずつ進んでいますのでこの疾患のことを一つ知っていただければと思います。カロリーの取りすぎは尿酸の上昇にも関係しますのでぜひ心当たりのある方は皆様お気をつけください。

https://kyoto.krg.or.jp/treatment/hydrogen/(水素吸入療法)

https://kyoto.krg.or.jp/prevention/supplement/(サプリメント)

◆カラダに良いとされる食材『コンブ』

夜食症候群の対策は様々ありますが、それでも食べ物に手が伸びてしまうといったことはよくあると思います。それであればお菓子ではなくてコンブはいかかでしょうか?コンブ自体は栄養豊富で食物繊維も多くて腸内環境にも良いです。夜食症候群対策で無添加のものもあるので例えば「かむかむコンブ」みたいなものを使っていただくのも良いですし、海藻類は全般的にカラダに良いものですがそもそも摂取量自体が減っているのでぜひ普段の食事にもたびたび登場させてあげて頂ければと思います。

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