京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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NMN(エヌエムエヌ)って何?

最近話題になっているNMN(ニコチンアミド モノ ヌクレオチド)という物質について簡単にご紹介し、その可能性と現段階で分かっていることなどをお伝えしたいと思います。他のドクターたちがYouTubeなどでも様々に発信されていますが、当院での経験も踏まえながらご説明致します。最初にNMNとは何か?ということですが、皆様ご存じでしょうか?

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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。

「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/

コラム内容のラジオ録音  

◆NMNとは

数年前からこのNMNという物質の、俗に言う若返り効果みたいなところがクローズアップされて、サプリメントとかも玉石混交様々に出ているのが現状です。NMNはもともとビタミンB3群の一つで、人間のカラダにも存在していますし、食べ物(ブロッコリーなど)にも微量ながら存在しています。これが注目されるようになってきたのは2015~16年あたりに発表されたもので、NMNを与えられたマウスに様々な効果が認められたという研究報告に遡ります。この研究では代謝の向上やエネルギー産生の上昇、そうすると体重増加に歯止めがかかる、血糖値やコレステロールの抑制や脳神経細胞のエネルギーの上昇、筋力の向上、眼の機能改善、免疫機能の向上や骨密度の上昇などなど様々な効果が認められたというものでした。これを受けてNMNを臨床応用しようと、現在は市場にサプリメントが出ているといった状況です。まだ6年くらいしか経過していないので、臨床的に分かっていること、分かっていないことなど様々あり注意も必要ですし、当院にいらっしゃる方々にはNMNの可能性はあるものの、現段階で客観的に分かっている事実はお伝えするようにしています。

https://kyoto.krg.or.jp/prevention/nmn/(NMN点滴)

◆NMNが体に作用するしくみ

簡単にご説明致しますと、NMNが生体内に取り込まれるとNADという物質に変換されて、このNADがエネルギーの元になるとか、サーチュインという老化に関連する遺伝子に作用して先ほど挙げた様々な効果を出してくると言われています。年齢が上がるにつれてNADは減少していき、60歳ともなると20歳の頃の半分以下になるとも言われています。

◆NMN以外にNADを増やす方法

NADを増やしてくれるのは今回挙げているNMNだけでなくて、実はカロリー制限と適度な有酸素運動というのがすでに分かっているのでここは非常に大切なポイントです。NMNは価格の高いものも多く簡単に手に入れることはできませんが、毎日の晩御飯のお米半分にしとことか、毎日朝は出勤のときに30分は歩こうとか、朝の散歩は欠かさずやろうみたいなことは無料で今日からでもできますのでぜひ、意識してほしいと思います。ちなみに私自身は朝と帰宅時に30分ほど歩いて家と駅を行き来しています。すでにNMNを摂取されている方も多いかと思いますが、NMN摂取しながら日々ドカ食いをして運動をしていないというのはアクセル踏みながらブレーキを踏んでいるようなもので、せっかくNMN摂取しているのに勿体ないなと思います。健康寿命っていうのはやはり食と運動無くして語ることは難しいのではないかと最近感じています。

◆まずは生活習慣の改善から

このNMN、現在までに人を対象とした臨床試験も複数実施されています。万人に当てはまるわけではありませんがインスリンが効きやすいカラダになることで血糖値の管理を改善、睡眠の質を向上など色々ありますが、2022年5月にも東京大学から臨床研究の報告がありました。サルコペニアという、簡単に言うと年齢が上がるにつれてカラダが弱ってくる、握力が落ちて蓋を開けにくいとか、歩くとすぐに疲れるとかそういった歳の影響で筋力が落ちて代謝も落ちてといったところの予防にこのNMNが有効な選択肢になるといったデータの報告でした。当院でも非常に多くの方の健康維持のためにご使用を頂いていて、体感に個人差こそありますが、実感的には前向きな効果が出ているといった印象でいます。最近は様々なデータが出始めていますので、客観的なデータも踏まえながら引き続きこのNMNを活用していければと考えています。

◆カラダに良いとされる食材『枝豆』

ちょうど6月が旬、「ビールと枝豆」の枝豆ですね。美味しい季節ですし、今回ご説明しましたNMNは、この枝豆にも非常に少ない量ですが含まれています。枝豆で10000粒くらい食べないと十分量は摂取できないので現実的ではありませんがぜひ、適度な運動してもらった後に炭水化物は控えていただき、枝豆を食べて、体内のNADを増やして加齢に抗っていただければと思います。

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