身体の冷えは万病のもと
5月も終盤になり、暖かく過ごしやすい季節になってきましたが、今回は「冷えは万病のもと」についてお話しします。私はここ最近冷えを感じるようになってきており、何とかしないと、と思いながらも日常に忙殺されて、なかなか十分に対応できていないといった感じでおります。
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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。
「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/
コラム内容のラジオ録音
▶「冷え」のタイプ
西洋医学は冷えを病気としては捉えていませんが、東洋医学を中心とした伝統医学においては冷え自体を病気として捉えて介入します。「冷え」と言っても大きく分けると、①熱自体が作れていない方(代謝が悪い方)と、②熱自体は作れているけれども、その熱を循環させるだけの血流や神経が末梢まで行き渡っていない方の2つのタイプがあります。熱自体が作れていない方というのは、体力の無い虚弱体質といわれる方や老化による代謝の低下、あとは慢性的な疲労の蓄積によって起こります。一方で神経や血流の循環不足の方は、食生活の乱れや運動不足、精神的肉体的ストレスのような生活習慣が原因として起こるタイプですが(若い方で冷えている方はこのタイプの方が多い)、主に自律神経のバランスを崩すと神経の循環不足になり、運動や食生活が安定していないと血流の循環不足となります。
▶「冷え」の改善方法
どちらのタイプかによって大まかにアプローチは違ってきます。当たり前ですが熱自体が作れていない方は、お風呂(特に湯船に浸かることが重要と思ったりもしています、電子レンジよりも湯煎のイメージです)や食事、運動によって筋力をつけるなど、熱をカラダの中で作れるようにしていく必要があります。逆に熱が作れている方は、カラダを無理に温めると過剰な熱が蓄積してのぼせに繋がるということにもなります。ただ、このどちらのタイプかというのはゼロか百かということではないので、体調を見ながらアプローチをしていきます。何か良い薬があればと考える方もいらっしゃいますが、なかなかそういった薬は存在しません。しかし漢方薬は比較的役立つことがあります。鍼灸、整体、自律神経の調整に当院では水素も使っています。そういったお金のかかる介入以外にも朝と寝る前にお白湯を飲むといった今日からでも無料でできるようなこともございますし、実際に原因不明で長く続いていた偏頭痛がそういったアプローチにて軽快していかれた方も当院では経験があります。今まで総合病院で勤務していた時にはそんなアプローチがあることすら知らなかったですが、実際に目の前の患者様のご経過などを共有させて頂いていると医療には様々な形態が存在すると改めて思っているところです。
▶「西洋医学」と「東洋医学」のアプローチ
私自身は西洋医学も東洋医学もどちらも治療アプローチとしては妥当だと思っていまして、あとはその使い分け次第なのかなと思っています。何か症状があったとして投薬を行ってスッと良くなりその後も問題なければそれで良いかと思いますし、一方で投薬を受けても良くならないとか、良くなったとしても繰り返していくなどの場合には投薬による対症療法のみでは根本的には解決したことにはなっていないという考えです。冷えというのはカラダやココロの状況とも密接に関係していると考えていますので、たかが冷えと軽く見ずに、諸症状があった場合には生活習慣を一度見直して体を冷やさないようにして健康ライフを目指して欲しいなと思っています。ちなみに我が家は極力お白湯やぬるま湯を飲むようにはしていますが、暑くなってくると冷たいものを摂取する頻度も上がりますので、今回のお話も思い出してもらいながら、その辺りも調整してもらえたらと思います。
◆カラダに良いとされる食材『しょうが』
いかにも温まるような印象があるかと思いますが、食べ方には要注意です。例えばうどんや天ぷらの薬味などで使う場合、実は発汗促進作用などで体内の熱を逃がす効果があるのでむしろ逆効果で、冷えを取るためには過熱した状況で食べる必要があります。生姜湯等、うちで良く出るのは生姜風味の卵あんかけや、鶏団子に生姜が練り込んでスープでいただいたりします。食べ方にはご注意いただき冷えに生姜を用いてみてください。