京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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”NAD+補充療法”について

前回はNADとはなんぞや?というお話をさせていただきました。

今回はNAD+補充療法についてお話をします。

まずは何を目的としてこの治療を行っていくかをカウンセリングにて協議します。NAD不足・欠乏と関連のある病態や疾患群としては以下のようなものが挙げられますが、保険診療において医薬品を使う治療は優先される選択肢でもあるため、そういった点もお伝えをしたうえで治療の決定を行います。

NAD不足欠乏と関連性のある病態や疾患群(一例)

  • 認知機能障害
  • 慢性疲労症候群、副腎疲労
  • 生活習慣病(高血圧、脂質異常症、2型糖尿病)
  • 筋委縮、フレイル
  • 脂肪肝、肝機能障害
  • 老化の進行や健康寿命の短縮
  • 不妊症
  • メンタル疾患(うつ病など)

NADに似たものにNMNがあります。ここ数年サプリメントや点滴などが多く取り上げられていますが、NMNが体内に取り込まれNADへ変換される際に亜鉛やマグネシウムが関係しているとされています。(https://isom-japan.org/article/article_page?uid=gWzHN1716517400)。

当院では栄養解析採血やミネラルのバランスを把握するオリゴスキャンを用いて検査をし、普段の生活では気づきにくい栄養不足にフォーカスを当てて体調不良の原因をさぐりますが、亜鉛やマグネシウム不足の方は現代人には非常に多い印象を持っています。NMN自体はサプリメントで臨床試験も実施されており一定の効果を示す可能性が高いと思われますが、背景に亜鉛やマグネシウム不足があった場合にはその効果は減弱してしまう可能性があると考えています。

オリゴスキャン検査の結果、亜鉛やマグネシウム不足、欠乏がある場合には、NADが効果を発揮する可能性がありNMN点滴からの切り替えも考えます。

NADの補充療法にはサプリメントや点鼻薬、点滴などがありますが、やはり点滴による補充が効果としては早いと考えますが一時的な胸の閉塞感、熱感、動悸、頭痛、息切れなどが起こることが稀にあります。多くの場合には自然軽快していくため安心してもらうように伝えており、お身体の状態を見ながら100mgから導入していく方法で点滴を開始しています。

頻度は2週間に1回、月2回を推奨していますが、治療状況に応じて変更を提案します。

点滴のみだけでは無くコロナウイルス後遺症のブレインフォグなど、脳神経系に対しアプローチする際には点鼻薬も一手になろうかと考えており、治療を受けられる方の改善させたい点に応じて最適解を出せるようカウンセリングにてお話をしています。

上記に挙げた病態や疾患群のみならず、エピジェネティッククロック検査において生物学的年齢が上昇している方、アンチエイジングの目的の方にこのNAD点滴は適応と考えています。現在目立った病気や疾患が無くとも、健康寿命の延伸や老化の予防などを図りたいと考えておられる方はぜひ一度ご相談にいらしてください。

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