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食後眠たくなりませんか?-血糖値スパイク-

食後になると急に眠気が襲ってきて、眼を開けているのも辛いとか、気づいたら寝落ちしている、こんな方が結構な数でいるのではないかなと思っています。私自身、香川県で勤務していた時代にこういったことがよくありました。私の場合はさておき、こういったご経験がある方に「血糖値スパイク」という現象が起こっている可能性があります。意外にこのことを知らない方もいますので今回はこの血糖値スパイクということについてお話をしたいと思います。

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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。

「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/

コラム内容のラジオ録音  

◆食後に眠くなる原因

自身の経験をお話しさせて頂きますと、以前香川県で勤務していた時に、食事にも無頓着でしたからお昼ご飯にさぬき名物・うどんをオニギリなんかと一緒にドカドカっと食べたりして仕事に戻って、一緒に食事をした方と急に眠気が襲うなとよく話をしていました。当時不勉強であまり知らなかったのですが、これはまさに「血糖値スパイク」と呼ばれるものであったかもしれないなと振り返っています。ただ、食べた後には食べたものを消化する必要があり、胃や腸に血液が優先的に回されて脳への血流が相対的に不足して眠気が出るということもあります。食後に眠気が襲う方全てが「血糖値スパイク」に該当するというわけではありませんので、そこはご理解ください。

◆「血糖値スパイク」とは?

血糖値スパイクは名前の通りで「血糖値の棘」という意味になります。分かりやすく言いますと、我々人間が食事をすると血糖値が上がって、インスリンという血糖値を下げるホルモンがカラダから分泌されて血糖値が下がるということを1日の中で繰り返しています。血糖値スパイクというのは、この血糖値の上昇低下が乱高下している状況のことを意味しています。

◆血糖値の乱高下によって起きる問題

臨床的な症状としては急な眠気、集中力の低下、イライラ感などが挙げられ、急激に跳ね上がった血糖値をカラダが処理する為に脂肪の蓄積が進んだり(つまりは太ってくるということですが)、血糖値が急激に下がると空腹感が出現して食べたのにまた食べたくなったりといった悪循環に入ることになり、カロリーオーバーの状態から生活習慣病を招く要因になります。実は、血管内皮と言われる細胞(血管の壁)を用いてこの血糖値スパイクを再現するとどういった反応が起こったかを調べた海外の研究では、血管の壁の細胞内で過剰な活性酸素が発生していたといった結果が出ています。過剰な活性酸素は細胞を痛める原因になりますから、つまりはこの血糖値の急激な乱高下が血管にもダメージを与えてしまって動脈硬化を早めて心筋梗塞や脳卒中のリスクになってくるとも最近は考えられています。

◆血糖値スパイクと老化

随分以前にお話ししたAGEs(エイジズ/カラダの焦げ)の蓄積も血糖値スパイクと密接に関連していますので、血糖値スパイクを頻回に起こしている方というのはカラダの中も外も共に老化が進んでいて健康長寿からは遠ざかって行っている可能性があると考えられるかなと思います。健康診断などで使用される「ヘモグロビンA1C」という指標がありますが、それが正常であっても中年の肥満男性では頻繁にこの血糖値スパイクが起こっていることがいくつかの臨床研究でも報告されていて、実は若年層の方々でもこの現象が起こっているということが報告されてきています。次回は、この血糖値スパイクを調べていく方法やどうやって普段の日常生活のなかでそれを避けて通るかといったお話をさせていただきます。

◆カラダに良いとされる食材『お蕎麦』

今回は血糖値のお話でした。次回また出て来ますがGI(グリセミックインデックス)という食べ物が持っている血糖値の上げやすさの指標があります。麺類食べるようでしたら、うどんよりもお蕎麦の方がGIが低く血糖値の上昇度合いは低いです。うどんは私も大好きですが、何か気になっておられる方はお蕎麦の方が良いかもしれないですね。

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