酸化ストレスチェック
33回目のコラムにてご説明させて頂いた酸化ストレスのお話の続編です。
大きな病気になったり余程体調を崩したりしない限り、いま自分の体調は健康へと向かっているのか、あるいは病気へと向かっているのかを客観的に捉えるのは難しいように思います。もし悪い方に向かっているとすれば、それは生活のなかでの何かを変えるアプローチをした方が良さそうです。といっても頑張ってしまうのが人間というのも理解した上で、私自身も気づいたことがあり、その辺りを今回はお話し致します。
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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。
「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/
コラム内容のラジオ録音
◆未病とは?
突然ですが、「未病」という概念はご存じでしょうか?未だ病になっていないと書いて「未病」と読みますが、「カラダの中で静かに病気が進行しているにも関わらずその自覚症状が現れていない健康状態」のことを示しています。簡単に言うと、病気を発症する方にカラダは向かっていますが、今は症状も無く元気にしているといった状態です。この未病から病気の方向へと突き進んでいく原因の一つと考えられているのが「酸化ストレス」という、慢性的にカラダの中で起こっているとされている微細な炎症です。慢性炎症は万病の根源ともよく言われますがその通りで、生活習慣に起因する活性酸素の蓄積である酸化ストレスとその慢性炎症をどうコントロールしていくかというのが、生活習慣病と言われる多くの疾患を避ける道なのだろうと考えています。急激に発生する炎症を、慢性炎症に対する逆の言葉として急性炎症と言いますが、それに対しては西洋医学が大きな威力を発揮しますのでそれを使用してコントロールを行うのですが、慢性炎症のコントロールについては依然として明確な解答が無いというのがまた難しいところです。
◆酸化ストレス・抗酸化測定検査とは
「酸化ストレス」と「酸化ストレスに対する防御力」を採血検査でその場で調べることができる機器をクリニックに導入しました。水素吸入や高濃度ビタミンC点滴などで定期的にご通院頂いている方でも、この検査において良好な結果であれば一旦それらをお休みして、現状の生活習慣の是正とストレス緩和のみで良好なカラダの状態を維持できているということの証明にもなるのでそんな使い方もできるのかなと考えています。いずれにしても、自分自身のカラダが今どういう状態なのか細かく把握しながら、その時にできる生活習慣の改善やサプリメント、必要なら点滴などでの介入も併せて予防して、客観的なデータも見たうえで体調管理に努めてもらうのは理論的なアプローチでもあるかなと個人的には考えています。ロールプレイングゲームで自分のヒットポイントと防御力を知らずに進んでいるようなものなので、一度といわず定期的に自分の状態を把握しておくことがまず重要だと考えます。
◆日々の生活習慣を振り返ることの大切さ
この7月末にかけての自分の生活を思い返してみますと、必要なサプリメントはある程度飲みながら高濃度ビタミンC点滴なども定期的にやっていましたし、駅まで往復で毎日計1時間は歩いていたので健康的にやっているかのように思っていましたが、酸化ストレスは計測上非常に溜まっている状況でした。原因は睡眠時間とお酒であったろうなと自己反省です。帰宅してから家事などもやったり仕事の残りをやったり(残りって言うのはその日気になったことを論文検索かけて読むなど)をアルコール飲みながら毎日やっていたので、健康になるためにアクセルを踏んでいましたが一方ではブレーキも掛けていたのだろうと今となっては思っています。なかなかこういったことって調べてみない限り分からないので、気になった方はぜひお受け頂ければという風に考えています。私自身も今回、コロナウイルス感染症に罹患して体力も一気に落ちてしまいまして切れを戻すのに時間がかかりそうですが、一方ではカラダや特に自分の歩んでいた生活習慣を見直す非常に良い機会になったと思っています。患者様へも自分の経験も含めながら共有しながら今回お話した酸化ストレス・慢性炎症のコントロールを進めていきたいと考えています。
◆カラダに良いとされる食材『オリーブオイル』
カラダのサビである酸化ストレスをどうコントロールしていくかというお話でしたが、オリーブオイルに含有されるビタミンEやポリフェノールによる炎症を抑える作用がありますので日常生活に取り入れてもらえればと思います。私自身もサラダは勿論、コーンスープやカボチャスープなどにオリーブオイルを垂らして使用しています。エキストラバージン・オリーブオイルは最も自然に近い形で、加工精製の度合いが最も低いのでおすすめです。