京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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患者学とは<患者と医師の関係性>

当院では様々な予防医療も取り組みながら、一方で標準治療に加えるカタチの治療を癌の統合医療としてご提案しています。そんな中で様々な価値観や考え方の患者様を診させていただく機会も多く、患者様お一人お一人の治療法を決定するというのは非常に難しい作業だと改めて感じておりました。先日治療をさせて頂いた患者様やそのご家族からも多くのことを学ばせていただく機会を頂戴しましたので、今日はそういったお話を簡単にさせて頂きます。

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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。

「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/

コラム内容のラジオ録音

◆「患者学」とは?

「患者学」は、患者様と医療者がお互いのことを学び、対話できる能力を身に付けて、医療環境の中において良い関係を創り出すことを目標としたものです。「患者中心の医療」という言葉が医療現場で使われ、医学教育でも勿論学びますが、実際に現場で実践するためには非常に多くのハードルが存在します。経験や知識量の多い専門家の医師を前にすると萎縮してしまって、聞きたいことも聞けないという方も少なくないのではないかなと思います。一方では医師任せで全てお願いしますといった感じの患者様もいるのは事実で、そこは患者様側の努力も必要です。つまりは患者様側も自分の考えを整理して生活スタイルや生き方、それこそ人生最期の迎え方など日頃から考える癖をつけたり、家族とその考えを共有したりしておくべきと思いますし、それらに合致した治療法の選択を医療者とともに決定していく必要もあります。

◆治療法の決め方 

多くの疾患には各学会が出しているガイドラインというものがあります。例えば癌で言うと、データとして出ているエビデンスのある標準的な治療法が一つの道筋として決められていますので、それに沿った説明や治療法を選択するケースがほとんどです。全てを杓子定規に言えることではありませんが、僕自身の判断としてもまずはやはりガイドラインに沿った治療法をお勧めしています。癌のステージが早期の段階の方でも標準治療とは異なるアプローチで治療できないか?とのことでカウンセリングにお越しになることもありますが、まずは標準治療をお勧めしています。一方でステージが進んだり既存の治療が効かない状況となったりしますと患者様を取り巻く状況は大きく変わってくるので、当院が実施しているように、様々なアプローチを標準治療と併用する統合医療一つの選択肢として上がってくることになります。

◆患者様個々人にあった最適解を一緒に考えたい

もちろんデータやエビデンスのある治療法を選んでもらい患者様にとっての最適解を常に提供したいと思いますが、一人の人間として患者様が選択したいことがそれと合致するのかはまた別の話です。将来的にAIが全ての論文を読んでそれらのデータやエビデンスに基づいた最適な答えを出してくれる日がいつか来るとは思いますが、我々が人間である以上、常にその答えが患者様を満足させることができるとは限らないので、そういった感覚的なところも大切にしながら僕自身は医師としての歩みを進めているところです。私は医療を提供する側ですが、当院にいらっしゃる患者様お一人お一人から常に多くを学ばせて頂いておりまして、本当にいつも感謝しております。ですので、今日のお話を聞いて、多くの患者様が医療者との距離を詰めるべく、ご自身のカラダのことや病気のこと、今飲んでいるクスリのこと、価値観やライフスタイル、ひいてはどう最期を迎えたいのかといったことを考え、そして人に伝えながら「患者力」を上げていく一つにきっかけになって貰えれば幸いに思っています。

◆カラダに良いとされる食材『さつまいも』

秋が旬の食材ですね。意外かもしれませんがサツマイモは結構ビタミンCが入っています。これから風邪が流行る冬に入っていきますので、そういった意味でもきちんと身体にビタミンCを入れておくよう自然界が与えてくれているのだと考えたりもします。もちろん食物繊維も多いですし、冷めた状態でサツマイモを食べますと「レジスタントスターチ」と言われるものが摂取でき、腸内細菌も喜ぶ健康ライフに繋がると思いますのでぜひ試してもらえればと思います。

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