京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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認知症予防とエイジングケアにクルクミン

クルクミンとはどういった物質なのかといった一般的なお話から始め、予防医療や癌治療などにおけるクルクミンを用いた治療の学術的なデータを紹介し健康促進や美容への効果などもご紹介いたします。当院で取り扱っている高吸収クルクミンサプリメントやドイツより輸入し実施させて頂いているクルクミン点滴などのことも含めてお話していきます。

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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。

「さらピン!キョウト」番組サイト

https://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/

コラム内容のラジオ録音

◆クルクミンってなに?

クルクミンという天然成分をご存じでしょうか?「ウコン」というと分かる方も多いかと思いますが、このウコンに含まれている黄色のポリフェノール成分が「クルクミン」という天然成分になります。このクルクミンという成分はインド発症の医療であるアーユルベーダ医療や漢方医療において抗炎症薬、抗鎮痛薬として使用されているものであり非常に歴史の深い天然成分になります。

◆ウコンはお酒や肝臓というイメージですが、、

メディア、特にテレビのCMの影響力の大きさを感じますが、ウコンに含まれるクルクミンという成分については肝臓保護という作用以外にも多くの生理作用を持ち合わせています。そして、近年このクルクミンが持つその治療メカニズムが学術的に解明されてきています。その抗酸化作用(カラダのサビを取る作用)、抗炎症作用(カラダに起こっている炎症を抑える作用)、デトックス作用(カラダを解毒する作用)を利用し癌治療のみならず疾病の予防医療や美容分野などにおけるエイジングケアにも使用されてきています。

癌治療の分野においては多くの先生方や研究者の方々がその研究を継続されており、もちろんヒトを対象とした臨床試験も日本海外問わず多く実施されています。様々な臨床研究の結果を見てみるといわゆる標準治療(外科治療、抗がん剤治療、放射線治療)を凌駕するものというよりは、その補足として抗癌剤や放射線治療の副作用軽減効果や標準治療の効果増強効果を狙うといった観点において有効な結果を出している報告が多い印象があります。口から内服するクルクミンは吸収性が非常に低く、効果を出すに辺りその吸収性が問題となることが多いのですが、当院ではドイツより輸入したクルクミン点滴を取り扱っております。その点滴を用いたデータも2020年に出ておりまして、これから抗がん剤治療を受けられるステージが進行した150人の女性乳癌患者さんを対象とした臨床試験においてクルクミン点滴併用群の方が副作用が少なく治療の奏効率が高かったといった報告が見られます。また、日本においても副作用の少ない「飲む抗癌剤」としてクルクミン製剤の開発を進められている研究者の方々も多くおられます。手術や抗がん剤治療や放射線治療というのはカラダにもココロにも非常に辛いものですので、保険診療の枠を超えるカタチで何か標準治療のサポートができないかと常に考えています。

◆予防医療や美容などの分野におけるクルクミンの効果とは??

予防医療の観点で言いますと、認知症に対する予防効果というのは以前から報告されています。クルクミンが多く含まれるスパイスカレーを食べる機会の多いインドの人々が欧米と比較して認知症の発症率が低いといったデータが複数あります(そもそもが、それぞれの国の生命予後に差があるのでそういった突っ込みもあります)。ですので、その追試験というカタチでシンガポールにおいても同様の臨床試験が実施されていますが、やはり同じような結果でありクルクミン摂取が認知症予防に繋がる可能性が強く示唆されています。また、あるクルクミンのサプリメント(当院で取り扱っているサプリメント)については2011-2017年にかけてUCLAというアメリカの大学病院で実施された臨床研究において使用されており記憶力や集中力、脳細胞を障害する物質であるアミロイドβ蛋白という物質の蓄積抑制などの効果が論文として発表されており学術的にもしっかりしてきているという印象です。

また、女性が気になる美容面においてもこのクルクミンの効果は期待されています。ここ最近、ターメリックコスメと言われるクルクミンを含有した美容液なども出てきていたりするので注目されているなと感じています。夏が近づき日差しが非常に強い時期になってきていますので、どうしても一つ一つの細胞をサビさせてしまう「活性酸素」が蓄積しやすい状況となってきていますので美容面へのアプローチにも抗酸化作用、抗炎症作用ある「クルクミン」を試してもらうのは良いかと思っています。カラダの外からのアプローチも勿論重要ではありますが、やはりカラダの内面からアプローチし我々のカラダを構成している細胞一つ一つを良好なものに保っていくことが全ての土台として何より重要ですのでその辺りはいつも患者様にお話をさせて頂いています。

◆ウコンなどのサプリメントを薬と一緒に飲んでも大丈夫なのか

ウコンは歴史的に使用経験が非常に長く、それ自体は決して危険なものではありません。しかし、この世の中に100%が無いように、もちろんどんなサプリメントもそうですが副作用の報告があるというのは確かです。総合内科専門医として思うところは現在内服されている内服薬との相互作用はしっかりと考えておくべきですので自己判断で開始されるのではなくカウンセリングや定期的な採血検査などをお受けいただいたうえで使用いただいて、健康的なエイジングケアを進めてもらうのが良いかと考えています。健康のために内服しているサプリメントが健康を害してしまっては本末転倒ですので、そこは注意が必要です。僕自身は認知機能に対する効果を狙い院内においてあるクルクミンのサプリメントを内服していますが、サプリメントも玉石混交、世の中には様々なものが溢れていますので学術的なデータを出しているもの、あるいはそういった試験を組んでデータを出そうとしているものを選別するなどその辺りは注意しながら進めていく必要があるかと思います。

◆カラダに良いとされる食材『ズッキーニ』

スーパーで食材を買うのに悩んだらやはり「旬の野菜を選んでおきましょう!」です。食べているものを注意深く見てみると、我々人間が自然といかに共生しているか、自然がいかに多くのものを我々に与えてくれているかということを感じることができます。旬のものというのはその季節に人間が必要とするものを多く含んでくれています。ズッキーニは日差しの強い、活性酸素が蓄積して疲れが出やすい夏に対抗するためのビタミンB群やビタミンC、ベータカロチンといった様々な栄養素を豊富に含んでいます。他の様々な夏野菜と呼ばれるものも意味があってこの季節に僕たちの前に出てきてくれている(作っていただいている方々に我々の前に出して頂いている)ので、ぜひ感謝の心を持ちこの夏野菜たちを使ってクルクミンと合わせてもらい夏野菜カレーを試してもらえたらと思います。

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