京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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アンチエイジングアプローチについて私が考えていること

 今日は普段の診療でアンチエイジングアプローチについて、私が考えていることをシェアできればという思いで綴りました。

【攻めのアンチエイジング vs 守りのアンチエイジング】
~老化をただ見守るのか、自ら未来を変えるのか~
 年齢を重ねるにつれ、「健康で若々しくありたい」という願いは誰しもが抱くものです。
 しかし、アンチエイジングのアプローチには、大きく分けて2つの方向性があると私は考えています。
 一つは、定期的に人間ドックを受けて病気がないかを確認する、“受け身のアンチエイジング”
 もう一つは、自らの生活習慣や身体の状態を深く理解し、栄養・運動・点滴療法などを駆使して積極的に健康に働きかける、“攻めのアンチエイジング”です。

■守りのアンチエイジングとは?
 いわゆる「病気の早期発見・早期治療」を目的とした健康診断や人間ドックを軸とするアプローチです。確かに、がんや生活習慣病などを早期に見つけられることは非常に重要で大きな意味があります。
 しかし、これはあくまで「異常が出たかどうか」を確認する作業であり、「老化の予防」や「健康の底上げ」にはつながりません。
 いわば“老化の通知を待つ”アプローチと言えます。

■攻めのアンチエイジングとは?
 一方、攻めのアンチエイジングは、「病気になる前」「老化が進む前」に手を打つ予防的アプローチです。
 例を挙げると、当院で実施しているような以下の介入が含まれます:

  • 栄養解析や酸化ストレスチェック、エピジェネティッククロック検査によるカラダの状態の可視化
  • 高濃度ビタミンCや抗酸化スペシャル点滴による抗酸化サポート
  • NAD、NMNなどによる細胞機能の活性化
  • 運動・睡眠・腸内環境への戦略的なアプローチ
  • 遅延型フードアレルギー検査による食事内容の調整
  • 適切なサプリメント設計によるカラダの最適化

 これらは「何か異常があるからやる」のではなく、“将来の異常を防ぐために今から動く”という発想になります。

■攻める意義~「老化」は止められなくても、遅らせることはできる~
近年の研究では、「老化=不可避」という考え方が変わりつつあります。
 細胞レベルでの酸化、糖化、慢性炎症、ミトコンドリア機能の低下といった“加齢に伴う生体変化”は、適切な介入によって遅らせることが可能と考えられています。
 つまり、「年をとってから病気を治す」よりも、「年をとっても病気にならない身体を作る」ことが、結果的に健康寿命の延伸、生活の質(QOL)の向上に繋がると私は考えています。

■まとめ~“今”を変えることが、“未来”を変える~
 守りのアプローチは最低限必要ですが、それだけでは不十分なのではというのが私の考え方になります。
 本当に健康的な老後を目指すのであれば、今この瞬間から攻めの一手を打つことが必要と思っています
 老化に対して“待ちの姿勢”を取るのか、“能動的に未来を作る姿勢”を取るのか。その選択が、5年後・10年後の自分を大きく変えるのではないかなと考えています。

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