元気が無い、やる気が出ない、眠れないのは鬱のせいですか?②
前回から続きのお話。
上記のような症状で困っている時、内科に相談してみたり、心療内科やカウンセリングなどを実施されることが多くあると思います。が、自分自身の捉え方としては、少し異なるところにその思いがあります。
自分自身は、常々カラダの状態を作り出しているのは、「我々が日々食べているもの」という考え方をしています。更に言えば精神的な問題の一部分も、日々食べている物の結果としてカラダが作り出しているものとの捉え方をしています。
分かりやすい例として今回は、「元気が出ない」、「倦怠感が取れない」、「やる気が出ない」、「集中力が続かない」、 「眠れない」といった症状を挙げました。実際、これらで困っている方々は色んなアプローチを取られていることかと思います。
このような問題に対して、当院では栄養学的なアプローチを取っています。その一例としてビタミンB群や蛋白質がどのようにカラダで作用しているかを見てみましょう。

我々は日常生活において、体内でエネルギーを生み出して行動し、そして休息を取ることでカラダを休めています。
ドーパミンやアドレナリンといった言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、それらはカラダを興奮させてストレスに抵抗し行動することを可能にします。
一方でGABAやセロトニンといったものはココロを休めるために必要で、メラトニンは睡眠に際して重要なホルモンになります。これらの重要な物質が人体でどのように作られているかというと上流にはプロテイン、つまり蛋白質が存在しています。
蛋白質を各ホルモンへ変換するときには胃酸やビタミンC、ビタミンB群や鉄などが必要で、それらが適切にカラダに存在していない際には各ホルモンの生成は低下することになります。ドーパミン、アドレナリンが不足すればそれは活動量が低下します。つまり元気が出ない、倦怠感、やる気が出ないなどの症状として表面に出てきます。
またGABAやセロトニンが不足すると精神的には不安定になりますし、メラトニンが不足すれば睡眠の質は低下します。 結果として表面に出ている各種症状としては鬱とも捉えることができます。
もちろん前回のコラムのように病状の進行度によっては、精神科での医薬品を用いたアプローチが必要なのは自明です。 しかし、それらを改善させ維持させていくためには、やはりカラダの根本からのアプローチが必要になることは間違いないでしょう。
このように考えていくとエナジードリンクのような糖質とカフェインの塊は、カラダにとってマイナスでしかないということが理解できます。蛋白質やビタミンB群を摂取せず糖質を過剰摂取していくことは余計にビタミンB群を消耗します。
その結果、上記サイクルが回らなくなり余計にエネルギーの出ないカラダへとベクトルは向きます。カフェインや糖質の効果によって一時的に活動量は亢進するでしょうけれども、長続きできるものではないでしょう。
そういったものを日々日々飲んで頑張っている方がおられるようなら、完全に悪く成り切ってしまう前に一度、カラダの栄養状態を見直して適切なアプローチを組んでいくことが、一番の近道になるのではないかと思います。