京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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頑張りすぎていませんか?副腎疲労という概念を改めて考えてみる-後編

GWが明けてしばらく時間が経過しましたが、皆さんお元気にお過ごしでしょうか?後編は副腎疲労についてお話します。

▼副腎疲労については以下のコラムをご覧ください

図1:内臓(副腎について)

医学界的には副腎疲労なんてあるのか??というのが一般的な考え方です。当院では、保険診療で様々な検査を受け、最終的には“原因不明でココロの問題”という結論に至った方々が、副腎疲労を調べ、それに基づき治療を行い改善された症例を経験しています。だからこそ、正式な医学診断ではありませんが機能性医学という範疇において、副腎疲労の重要性も感じています。

副腎は腎臓の上にある非常に小さな臓器ですが、この副腎は生体にとって重要なホルモンを生成しています。副腎が需要に見合うだけの十分量のホルモンを産生できない場合、その状態を医学用語では副腎不全といい以下のような症状の原因となります。

●全身倦怠感、慢性疼痛、食思不振、体重減少、嘔気嘔吐、低血圧、ふらつき・眩暈、体毛の喪失、皮膚色の変化(色素沈着過剰)、抑うつ症状 等

(図2:NIKKEI STYLE(健康・医療)
2014年2月11日から引用)

図2の症状のうちいくつかは、複数の医療機関を受診し様々な検査を受けられたのち、各専門科の先生方に問題なしと言われるのはよくあることです。つまり、不定愁訴として原因断定に至りません。私自身が総合病院で勤務していた際にも、同じようなことを患者さんにお伝えしたことがあったように記憶しています。最終的にはココロの問題なのではないかということで心療内科や精神科に紹介となるケースは多くあり、それにより状態の改善、維持ができその方が人生の歩みを続けることができれば良いのですが、根本的な解決がなされない限りそれもなかなか難しいのではと考えています。

現代社会は休むことができず、あるいは休むことが許されず多くの方が息継ぎできずに走り続けているようにも感じます。常にストレスと戦い続けることによってコルチゾールというホルモンを副腎が出し続けると、最終的には副腎は疲弊状態となりコルチゾールを分泌できなくなります。そういった極限状態に至るまでには、甘いものやカフェインを継続的に摂取することでバランスを保とうとします。しかしそれらがあまりに継続するといつかの段階で限界に達し、最終的には表のような種々の症状が出てきます。これを副腎疲労と呼んでいるわけです。

実際に当院でも、不定愁訴があり標準的なアプローチ(検査や投薬)では原因断定ができず改善を得ることができなかったことで、朝が起きられず、起きても体調が優れないため学校へ行きたくても行けない生活が続いていた方や、症状がひどく休職を余儀なくされた方の治療に伴走させていただきました。その方々の改善を目の当たりにし、素晴らしい経験を私たちもさせていただいております。

医学的な考え方として 副腎疲労に対する否定的な意見が多いのも事実で、論文にもそういった記載があります。私自身もその側面を否定はしないのですが、私の経験からもその概念を前提として治療アプローチを組むことで改善を示すケースがあることも事実です。

重大な疾患を見逃さないことにも繋がるため、保険診療でできることはやるべきであり、それを当院の方針としています。バランスを崩さず、お一人お一人に向き合いそれぞれにとっての最適解を模索しています。

副腎疲労の原因検索として以下を含む種々の検査を実施しており、それら原因に基づいてアプローチもご提案しています。そういった症状などでお困りの方はいつでもご相談いただければと思います。

●唾液中コルチゾール検査 https://kyoto.krg.or.jp/screening/car/

●ステロイドホルモン代謝検査 https://kyoto.krg.or.jp/screening/steroid/

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