夏バテ症状と対策
そろそろ6月、だいぶ春の暖かいから暑いに変わってきて、あっという間に梅雨の時期で蒸し暑さが出てきます。今年の夏は猛暑となるようですので、先取りして今回は「夏バテ」という現象のお話をしたいと思います。いわゆる夏バテみたいな状況になることが多い方でしょうか?それともまぁ問題なく夏を乗り切れる方でしょうか?
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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。
「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/
コラム内容のラジオ録音
◆夏バテとは?
そもそも夏バテというのは医学的な用語では無く、夏の暑い時期にかけて起こる色々なカラダの不調のことをまとめて「夏バテ」と呼んでいます。ですので、医学部で「夏バテの患者さんの対応はこうしましょう」みたいなことを授業やレクチャーで学習することはあまり無いと言っても良いかと思いますし、もちろんですが夏バテに対してエビデンスのあるクスリというのはありません。
◆夏バテの原因と具体的な症状
様々な観点から理由が考えられていますが、「自律神経」がどうやら関与しているとよく言われます。自律神経には交感神経というアクセルと、副交感神経というブレーキがあるといったお話は以前致しましたが、一定の変化のない環境下にいますと自律神経が揺さぶられないためにその働きが鈍くなります。暑い日に冷房の効いた部屋にずっといると自律神経も鈍くなって、同じ環境の中を移動している分には問題ありませんが、外は蒸し暑いので状況の変化にカラダがいざ対応しようとしても鈍っている自律神経の働きが付いて行けなくなります。自律神経はカラダの様々な機能の維持に必要なもので食欲や睡眠などにも関与しているので、カラダが怠い・食欲が湧かない・眠りづらいみたいな症状にも繋がります。他にも、夏場は汗をかく機会が増えるのでそもそも体内の水分が不足しやすい、つまり脱水状態になりやすいことや、食事内容によるビタミンBを含めたミネラル類の不足も一因と考えられています。
◆蒸し暑い梅雨・暑い夏に向けての対策
1.自律神経を事前に調整すべし
2.食べ物に気を付けるべし
3.水分はノドが渇く前に飲むべし
上記3つ辺りが対策として挙げられるかと思います。
どれも何となく夏になるとやっていることかもしれませんが、今一度確認しておきましょう。自律神経はこれをやっておけば調整できるというものは無く、それぞれのライフスタイルによってもできることは変わってきますが、生活リズムを崩さない、そして睡眠は十分にとるというのは大前提になるように思います。その上で私自身がやっているのはサウナと当院で提供もしている水素吸入です。適度な運動も自律神経調整に繋がりますので、暑い時期は朝や夜などの比較的温度が下がる時間帯を利用して30分くらいの散歩をしていただくのは良いかと思います(もちろん水分は持って行ってください)。
次に食事についてですが、夏はどうしてもそうめんとオニギリみたいなサラッと食べられるものに頼りがちですが、炭水化物中心の食事では、糖分をエネルギーに変えるために必要なビタミンB群が不足状態となってエネルギー不足、つまり疲れや倦怠感が出て来ます。夏バテにはウナギとよく言われるのはこのビタミンB群を取るためと考えてもらうと良いかと思います。当院の患者様でも栄養解析の採血をするとビタミンB群が不足していて、サプリメントで適切に補充することで疲労感や倦怠感が改善されるケースも多くあります。水分についてもそれぞれの生活や活動に依存しますが、いずれにしても夏は脱水傾向になりやすくそれ自体が夏バテの原因にもなっていると先ほどお話しました。ノドが渇いた時点はある程度脱水傾向になっていますので、ある程度時間を決めて一定量を飲むように習慣づけると良いかと思います。これから梅雨の時期に入り蒸し暑い日々が続きますので、その後の本格的な夏に向けてぜひカラダを作っていきましょう。
◆カラダに良いとされる食材『トマト』
トマトは夏野菜と言われるくらいですから旬は7-8月くらいですが、いつもおすすめしている旬の野菜は取り入れておいて間違いないです。トマト自体は水分が多く、汗とともに出ていくカリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラル類も豊富に含まれていますしそれ自体に熱を下げる効果もありますので、ぜひ時期がきたら取り入れてみてください。暑い夏だからこその夏野菜カレーとかは良いかなと思います。