活性酸素が溜まった「酸化ストレス」状態を減らす方法
当院では様々な疾患の予防医療として腸内細菌へのアプローチや、活性酸素・酸化ストレスを軽減させる様々な治療手段を皆様に提案しています。今日は「活性酸素」「酸化ストレス」というものについてお話しします。最初に「酸化ストレス」とは何ぞや?ということですが、皆様聞かれたことはありますでしょうか?
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本内容はKBSラジオ「さらピン!キョウト」内コーナー「Dr.村西の健康ライフミーティング」内にて 本院院長・村西寛実がお話しした内容をコラムとして掲載しております。
「さらピン!キョウト」番組サイトhttps://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/sara/
コラム内容のラジオ録音
◆「酸化ストレス」とは?
ごく簡単にご説明しますと人間が生きていくには空気中に含まれている酸素を使用していて、その結果、「活性酸素」という物質がカラダの中で発生します。この活性酸素は適度にある分にはうまく体の中で利用されて問題はないのですが、過剰に発生した場合にはいわゆる生活習慣病や認知症、癌などの様々な疾患を発生させる要因となり得るので注意が必要です。人間のカラダには、この過剰に溜まってくる活性酸素を消去するシステムが生まれつき備わっているのですが、どうしてもストレスや年齢が上がるにつれてそのパワーは低下していきます。そうなると、日々溜まっていく活性酸素と消去システムが消していく活性酸素との天秤の掛け合いとなりまして、溜まる活性酸素が増えて持続している状況を「酸化ストレス」と言っています。
◆酸化ストレスと病気
広い意味での加齢に伴う疾患予防において、この酸化ストレスをどうコントロールするかといった議論は長らくされています。酸化ストレスが持続することが高血圧や糖尿病などの生活習慣病や認知症、癌の要因となるというのは現在までの報告を見ているとどうやらそのようです。新型コロナウイルス感染症の重症化についても、その個体が持っている酸化ストレスとの関連性も報告されていますので「酸化ストレス」というのはどうやら人間という生命体が悪いコンディションの方に向かっていくのを助長すると言えるかと思います。
◆酸化ストレス軽減方法
これが実に難しいところで何かをやっていればそれでOK、何かサプリメントを飲んでおけばそれでOKというわけにはいかないのです。言うのは簡単でやり続けることが難しいのが、やはり食事と運動、睡眠という基本的なところです。食べ物でいうと酸化ストレスの蓄積には添加物や保存料、農薬も関係していると考えられますし、バランスの良い食事を日々取るということが結局のところ重要なのは間違いないと思います。運動もただガムシャラにするのではなく有酸素運動(早歩きでの散歩など)を継続して貰えたらと思っています。健康はカラダへのアプローチだけでは不十分で、心へのアプローチも同様に大切ですので心のメタボと言われる状態を避けて生きていくためにも日々自分の心の動きや感情にも気を配ってもらうのも良いかもしれません。
◆具体的な酸化ストレス軽減方法
私自身が最近実践した方法として、例えば実家へ帰省した際には、人は少なくて海の水は透き通っていて空気もキレイですし、自宅の窓を開けて昼寝していると、風が通り抜けて木々が揺れる音と鳥の囀りが聞こえてきまして、酸化ストレスが軽減しているなと感じる時間ではありました。人によって酸化ストレスの軽減の方法は様々であくまで個人的な意見ですが定期的にスマートフォンの電源を切って自然の中に身を置くというのが一番のように思っています。自然の多い日本ですから少し足を延ばせばあちらこちらにそういった場所があるのではないかなと思います。わざわざ遠くに行く必要もないと思いますのでふと空いた時間で酸化ストレス軽減を試してみてください。
◆カラダに良いとされる食材『たけのこ』
実家へ帰省の際に、あちらこちらに生えていまして煮物も美味しかったので旬だなと感じましたのでご紹介させて頂きます。タケノコ自体は食物繊維が豊富ですので腸内環境にも良いですし、疲労回復効果などもあるビタミンB群や酸化ストレスに抗ってくれるビタミンEなども含んでいます。ぜひ食卓に並べて頂ければと思います。