検査酸化ストレス・抗酸化力測定
がん、生活習慣病などの様々な疾患をもたらす要因となる、カラダの酸化度とそれに対抗するチカラを調べる検査です。
測定結果は数値化され、A~D判定、さらに細分化されるため細かく現状把握ができ生活習慣を見直すきっかけとなります。また、定期的な測定で、カラダが「病気」「健康」のどちらの方向へ向かっているかを把握した上で治療ができます。
↑測定結果
病気の方向へ向かっている状態は“未病”
未だ病になっていないと書いて「未病」と読みますが、「カラダの中でごく静かに病気が進行しているにも関わらずその自覚症状が現れていない健康状態」のことを示します。病気を発症する方向にカラダは向いているが、症状も無く普段と変わらず過ごしている状態のことです。この病気の方向へと進む要因の一つと考えられているのが「酸化ストレス」です。
酸化ストレスとは
人間は呼吸をすることで酸素を体内に取り込み、エネルギーを生み出します。それを作る過程で必ず発生するのが“活性酸素”です。活性酸素は細胞間の情報伝達や免疫の役割を持っていますが、過剰に作られた場合は、細胞を傷つけ、がん、生活習慣病などの様々な疾患をもたらす要因ともなります。カラダはそれに対抗できるよう防御するシステム(抗酸化力)を備えていますが、加齢や生活習慣(食生活や睡眠)、精神的肉体的ストレスや食品からの添加物・農薬などの摂取により、活性酸素の過剰な蓄積が抗酸化力を上回ります。その状態を酸化ストレスと呼びます。
カラダに蓄積している活性酸素とそれを消去するためのシステム(抗酸化力/抗酸化能)の天秤の掛け合いとなっており、酸化ストレスの高い状態が持続していると、長期的には生活習慣病をはじめとした種々の疾患へと繋がっていくと考えられています。
抗酸化力とは
ご自身が持っている活性酸素の蓄積、酸化ストレスに抗うチカラを意味しており、酸化ストレスに対する防御力を指します。抗酸化力を作り出すものは大きく2つに分けられます。
①人間の体に元来より備わっているスーパー・オキシド・ディスムターゼ(SOD)と呼ばれる酵素を代表とした抗酸化酵素
②普段の食事で摂取している食品に含有されるビタミンやミネラルを含めた抗酸化物質
酸化ストレスを溜めないような生活習慣を保つこと、添加物や農薬を極力排除したバランスの良い食事を継続すること、抗酸化力を向上させる有酸素運動を継続することなどが大切です。ただ、現実的に難しいことも多いため、カラダの状況によっては点滴治療やサプリメント、水素吸入なども利用し抗酸化力を向上させていくことが必要です。
酸化ストレス測定の意義
酸化ストレスや抗酸化力測定で、生活習慣の見直しと是正に繋げることができます。検査結果やご希望によっては、酸化ストレス軽減の一助となる点滴治療や水素吸入、サプリメントによる補充などをご案内致します。
この検査をお勧めする患者様
・すでに悪性腫瘍や生活習慣病などで治療をお受けになっておられる方
・忙しい毎日のなかで健康に気を配れておらず今後、病気の予防を図っていきたい方
・点滴治療やサプリメント(当クリニック処方のものに限らず)、食事療法や運動療法などをすでにされている方でその効果を客観的なデータとして把握したい方
・ご自身の生活習慣改善が正しい方向に向かっているか確認したい方
(参考文献)
1. Masayasu Inoue: Nihon Ronen Igakkai Zasshi. 2002 Jan;39(1):36-8.
2. Kiyomi Kikugawa: Yakugaku Zasshi. 2004 Oct;124(10):653-66.
3. 江口 裕伸, 他: 「酸化ストレスと健康」:生物試料分析 2009;32(4):247-256
4. 田中 芳明, 他: 本静脈経腸栄養学会雑誌 : 2016; 3: 3-12.
5. Michael Goodman, et al: Free Radic Biol Med. 2011 Sep 1;51(5):1068-84.
検査の流れ
STEP-1 採血約1ml採血します。
STEP-2 結果の説明当日または後日に結果をご説明します。結果をもとに、個別に適した治療アプローチをご提案します。