検査エピジェネティッククロック 生物学的年齢検査
エピジェネティッククロック 生物学的年齢検査
暦上の年齢ではなく、「カラダの年齢」を調べる検査です。
DNAメチル化のレベルによって予測される生物学的な年齢を計測します。
当院はアメリカのTruDiagnostic社の検査キットを使用しています。約50年にわたり7~8万人のデータが蓄積されています。
そもそもなぜ老化は進むのか
人間は遺伝情報の構造のみで生命活動(我々がどう生きてどのように老いていくか)が決定されているわけでは無く、様々な環境因子が相互作用しその遺伝子群にスイッチが入っているのか入っていないのかにより変化が起こります。例えば、過剰労働や睡眠時間の減少、アルコール摂取や喫煙、運動不足、不規則でバランスを崩した食生活、肉体的精神的ストレスなど、マイナスに作用する様々な要因によって老化に繋がる遺伝子にスイッチが入ることで老化が進むのです。その結果、疾病リスクが増大します。一方で、規則正しいバランスの取れた食生活や運動をしっかりと実施しストレスマネージメントも行いながら、カラダに不足しているものをサプリメントや点滴等で補充している場合には、老化に関連する遺伝子にスイッチが入っておらず老化に抗う状態を作り出している可能性が高いと言えます。
医学的に細かい説明をすると人間のDNAを構成している4種類の塩基であるA(アデニン)、 T(チミン)、 G(グアニン)、 C(シトシン)の並び方、すなわち塩基配列が我々の遺伝情報の基本構造となっており、これらは環境因子や何らかの原因によって後天的に修飾され遺伝子機能の制御がなされています。エピジェネティクスというのはDNAメチル化とヒストン修飾という現象により遺伝情報を制御していることを指しておりそれらは生命現象における必須のメカニズムとなっています。
(国立環境研究所HPから引用 https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/59/column2.html)
抗老化アプロ―チにおけるエピジェネティッククロック検査の意義
食事、運動に加えて、当院で実施しているような点滴やサプリメント等、老化に抗う方法論は色々と存在しています。そのアプローチを続ける中で重要なのは下記の2点です。
- 1 現状のカラダの位置づけを知る(生物学的年齢や老化速度等)
- 2 一定期間のアプローチ(食事、運動、点滴やサプリメント等による介入)を行ったうえで、その方法が効果を上げているのか否かの検証を行い、その結果に応じて次の行動へ反映させる
当院では現状の把握として、酸化ストレス測定や他の血液検査等で評価をしていますが、それらに加えて有力な抗老化アプローチの指標となるのがこの検査です。
エピジェネティッククロック検査は現在進行形で研究が進んでいます。臨床の現場でも使われ文献報告もここ数年で多く存在し、今後の抗老化医学の領域においてその発展が期待されています。
健康診断で疾患の指摘は無く過ごしていたとしても、カラダとしては老化の一途を辿っている可能性も十分にあります。健康を求めている方こそ、現状のカラダの位置づけを知ることは非常に意義の高いものであると考えています。
検査内容
生物学的年齢や老化速度に加えて種々の疾患リスク、炎症、免疫状態、運動機能年齢等が判明します。
血液からOMICm Ageという指標を調べます。OMIC (Multiome)というのは下の図にあるように、遺伝子、遺伝子発現、蛋白や代謝物などが相互的に作用して、表現型(現在の状態)を作り出しているという多層構造のことを意味しますつまり、現在の状態を生み出している要因は単一では無く、多くのものが存在しているということです。
当院よりアメリカの検査機関へと血液検体を郵送し解析を行います。
(TruDiagnostic社からの提供資料)
(暦年齢と生物学的年齢との比較に関する検査結果)
(老化速度についての検査結果)
この検査をお勧めする患者様
- 1 アンチエイジングアプローチをすでに実施されており、その効果の検証や妥当性について知りたい方
- 2 健康診断等では特に疾患の指摘は無いが、体力の衰えを感じている方
- 3 疾病予防のためアンチエイジングアプローチを今後開始したい方
- 4 疾病治療中で今後の予防を図りたい方
検査の流れ(検査前は6時間の絶食が必要です)
STEP-1 カウンセリング・問診医師が状態を診断し説明
STEP-2 採血約1ml採血
STEP-3 結果の解析と報告(約1ヶ月半で結果到着予定)医師より検査結果の解析と説明
適切な対策やストレス管理のアドバイス