がん治療・再発予防光CTC(血中循環がん細胞)治療
血管内にLLLT(低出力レーザー)を照射して、血液中の循環がん細胞(CTC)と
循環がん幹細胞(CSC)を破壊する予防治療
治療内容
循環がん細胞(CTC)とは、血液中を巡っているがん細胞のことです。体内にあるがん細胞の大きさが1〜1.5mm程度になると、栄養や酸素を求めて血管内へ浸潤し、血液中を巡ります。
さらにがんの原発巣は血管から新生血管をつくりだし、大量の栄養や酸素を消費しながら循環がん幹細胞(CSC)を放出し、転移をくり返します。
このCTCとCSCをピンポイントで殺傷することで、転移を防止し、新たながん組織の形成を防ぐ治療が、光がん予防(LLLT)です。
治療には、リポソーム加工した光感受性物質と低出力レーザーを使用します。
光感受性物質とは、レーザー光を当てることによって、周囲にエネルギーを放出し、酸化反応を起こす色素になります。治療には、緑色の色素であるインドシアニングリーン(ICG)を使用します。
これを、がん細胞にのみ蓄積する脂質の膜に包んで、100nm(ナノメートル)くらいの大きさに加工(リポソーム化)します。
リポソーム化した光感受性物質を点滴にて静脈に投与します。 静脈内の光感受性物質は、同じく血管内を巡っているCTC・CSCに蓄積します。
適応するがんの種類
循環がん細胞(CTC) 循環がん幹細胞(CSC)
リスク・副作用
- 早期発見、早期治療による救命効果を目的とした治療です。
- ICGの副作用はまれですが、悪心、嘔吐、蕁麻疹、発熱、ショック症状が起こることがあります。
- 点滴の際に、まれに皮下血腫・神経損傷などの合併症が起きることがあります。
この治療では、管理された低出力のレーザー光を使用するため、副作用やリスクが極めて低いことが特徴です。個人差はありますが、痛みもほぼなく、レーザー照射に対する症状もほぼありません。
静脈内レーザー照射についても重大な副作用に関する報告がないことが、今日までのすべての臨床データによって確認されていますが、考えられる副作用としては以下のものがあります。
血管穿刺部位の疼痛、血管痛、頭痛、嘔気など
穿刺の際に、まれに皮下血腫・神経損傷などの合併症が起きることがあります。
未承認医薬品等であることの明示、入手経路等の明示
本治療に用いるMLDS(マルチレーザーデリバリーシステム)は、医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものです。 日本国内では、未承認医療機器を、医師の責任において使用することができます。
国内の承認医薬品等の有無の明示
本治療に使用できる同一の性能を有する医療機器はありません。
諸外国における安全性等に係る情報の明示
本治療に使用するMLDS(マルチレーザーデリバリーシステム)は、約20年前にドイツ政府とEUの支援により開発されました。現在EU、カナダ、アメリカなど世界30カ国以上の医療機関において800台以上が導入されており、米国FDAや主要EU国家などで承認されています。
治療の流れ(当院での治療は通院してお受けいただいております)
STEP-1 カウンセリング・問診医師が状態を診断し、治療の内容について詳しくご説明致します。
STEP-2 光感受性物質の投与1回30分程度の点滴、もしくはご自宅で薬剤の内服をしていただきます。
※点滴量やお身体の状態により点滴時間は異なります
※光感受性物質の種類についてはカウンセリングの際に医師から説明申し上げます。
STEP-3 レーザー光照射血管内にファイバーを通し、レーザー光を照射します。
※照射時間は患者様により異なります(目安時間60分~)
STEP-4 治療効果の評価1セット治療の終了後に、治療効果を評価します(CTC検査など)。
また、検査の結果等参考にその後継続可能な治療を検討致します。