京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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予防治療幹細胞培養上清

幹細胞培養上清とは?

体の中の組織(脂肪、骨髄、歯髄など)にはいろんな能力を発揮できる細胞があります。その中には、間葉系という神経や血管などに分化する能力を持った細胞があり、これを「幹細胞」と言います。幹細胞とは組織が傷ついた時に修復し、元に戻してくれる役割を果たします。例えば、擦りむいた時、幹細胞に指令が送られ、幹細胞が傷ついた場所に集まり様々な分泌物(活性化・成長・増殖するために「サイトカイン」と呼ばれる様々な種類の生理活性タンパク質など)を放出することで傷口の修復をします。
脂肪幹細胞培養上清とは、脂肪から間葉系幹細胞を取り出して培養する際に分泌したタンパク質成分のことで、効果も幹細胞を投与する場合と同等の効果が期待できることが分かってきました。最新の研究では、幹細胞から分泌される500種類以上もの成長因子やサイトカインなどの生理活性物質が含まれ、体内にある再生能力の高い細胞にはたらきかけることで組織の再生を促すなどの効果が期待できることが分かってきています。

幹細胞培養上清の種類と適応

当院では下記3種の幹細胞培養上清点滴をご用意しております。

① 脂肪由来幹細胞培養上清

② 臍帯由来幹細胞培養上清

③ 歯髄由来幹細胞培養上清

どの培養上清を選択し、どの程度の量を投与するかにつきましては医師とのカウンセリングにおいて患者様の主な訴えや現在罹患されている疾患、既往歴、内服歴、年齢など様々な因子を共有させて頂いたうえで患者様の状況に応じたご提案をさせて頂いております。 また、幹細胞培養上清を用いた点滴治療については保険診療外の先端的な治療介入であり、その治療内容につきましては医師からカウンセリングにおいて十分な説明をさせて頂き患者様の十分なご理解のうえで治療を進めております。


投与注意

癌患者様(特に現在進行形で治療中の患者様)につきましては幹細胞培養上清中に含有されるVEGFなどのサイトカインが病態を悪化させる可能性が完全には否定できないためカウンセリングにおいて現在の病状、あるいは治療終了後の経過等の把握をさせて頂いたうえで適応判断をさせて頂いております。

幹細胞培養上清に含まれる成長因子と期待できる効果

VEGF(血管内皮細胞増殖因子)
  • 新しい細胞を生産することでシワ防止。
BFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)
  • 血管内皮細胞内の増殖と血管新生を促進。
  • コラーゲンを分泌する線維芽細胞の増殖を促進。
  • 組織の修復作用。
EGF(上皮細胞成長因子)
  • 新しい皮膚細胞形成によりシワ改善に期待。
  • 新しい皮膚細胞を産生し、傷口の回復を促進。
PDGF(血小板由来成長因子)
  • 損傷を受けた皮膚細胞の再生を促進。
  • コラーゲンを分泌する線維芽細胞の増殖を促進。
IGF-1(インスリン様成長因子)
  • 新しい皮膚細胞形成によりシワ改善に期待。
  • コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンの産生
医療機関ならではの品質と安全性

幹細胞培養上清は化粧品などに広く利用され、主に海外から輸入されてきています。規格値が定められていても、輸送・管理方法によっては使用時には活性が落ちてしまうことが多々あります。
当院では、日本の研究機関でグロースファクター活性値を保証したものだけを使用します。安全性についても42種類のドナー適合性試験やウィルス試験を経て、GMP/GLP基準で生産されたものを利用しています。

適応する症状の種類

糖尿病、慢性の肝疾患および腎疾患、脂質異常症、心臓病、慢性疼痛症候群、アレルギー/湿疹、スポーツにおける能力向上、多発神経障害、線維筋痛、リウマチ、高血圧、耳鳴り、黄斑変性、CFS(慢性疲労症候群)、偏頭痛、めまい、うつ病、皮膚の活性化

治療の流れ

STEP-1 カウンセリング・問診医師が状態を診断し、治療の内容について詳しくご説明致します。
また、幹細胞培養上清の種類も問診にてご相談いただいております。

STEP-2 G6PD検査1回30分~90分程度の点滴です。
※点滴量やお身体の状態により点滴時間は異なります。点滴量、治療頻度や回数については医師とご相談いただいております。

STEP-3 治療効果の評価1セット治療の終了後に、治療効果を評価します。
また、検査の結果等参考にその後継続可能な治療を検討致します。

リスク・副作用

想定されうる副作用

・注射部位の出血・皮下出血や発赤や軽度炎症反応
・アナフィラキシー様症状、発赤、発疹、掻痒感、呼吸困難感
・血糖値低下
・他家由来の幹細胞培養上清投与に潜在する感染症リスク

上記の報告があるものの発生頻度としては極めて稀です。これまでに重篤な副作用の報告はございません。

未承認医薬品等であることの明示、入手経路等の明示

本治療に用いる幹細胞培養上清点滴は、医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものです。 院内調剤(一部外部委託)として、適法に調剤しています。 日本では、未承認医薬品を、医師の責任において使用することができます。

国内の承認医薬品等の有無の明示

本治療に使用できる同一の性能を有する他の国内承認医薬品はありません。

諸外国における安全性等に係る情報の明示

Hak Sun Yu, et al; Stem Cell Research & Therapy volume 8, Article number: 8 (2017)
Honorata Kraskiewicz, et al; Stem Cell Res Ther. 2020 Jan 21;11(1):29.
Xuewei Luo, et al; Stem Cells and Development Vol. 31, No. 17-18
Ryusuke Suzuki, et al; Journal of Cosmetics, Dermatological Sciences and Applications Vol.11 No.1, March 2021
Sloan W Rush, et al; Clin Ophthalmol. 2021 Jul 16;15:3097-3107

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