京都御池メディカルクリニック[予防医療、検査、がん治療]

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アンチエイジング水素吸入療法

治療内容

水素吸入とは、水素吸入器より生成された水素ガスを吸入チューブから鼻や口を介して呼吸吸収(粘膜吸収)することで体内に取り込むことをいいます。水素吸入療法は、体内に蓄積する酸化力が強いヒドロキシラジカルを消去して、酸化ストレスの軽減を目指す治療介入です。

活性酸素とは?

私たちの体細胞の中にあるミトコンドリアは、酸素を使って細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーを生み出します。その際に発生する活性酸素はタンパク質や脂質、DNAなどを酸化することで細胞傷害を引き起こし、さまざまな疾患の原因になると考えられています。

活性酸素には、善玉活性酸素と悪玉活性酸素の2種類があり善玉活性酸素は外から侵入してきた最近やウイルスから体を守る免疫機能や感染の防御を担っています。一方で悪玉活性酸素はウイルスだけでなく身体の細胞まで傷つけてしまい、身体を酸化=細胞を錆びさせてしまいます。
悪玉活性酸素の中でも、特に毒性の強い「ヒドロキシルラジカル」は酸化力が非常に強く、体内のタンパク質やDNAなどを簡単に酸化させてしまい、がんや生活習慣病、老化の原因の一つになるのではと言われています。

水素吸入の根拠

2016年12月9日に厚生労働省の先進医療Bとして「水素ガス吸入療法」が認可され、心停止後症候群に対して慶応義塾大学病院などで水素ガス吸入治療が実施されています。
先進医療とは将来的に健康保険が使える医療になる可能性がある比較的、新しい医療のことを指しています。また、水素の可能性に関する報告はアンチエイジングから癌治療に渡るまで実に多くの報告がなされています。

コロナウイルスと水素

コロナ禍において全世界的な問題となりつつあるCOVID-19後遺症に対して臨床試験が実施され日本製の医療機器である「suisonia(スイソニア)」が有効な治療アプローチの一つであると2021年10月15日論文で発表されました。
コロナウイルス感染症については不明な点も多いですが、最近になって注目されている問題の一つにコロナ後遺症があります。様々な症状を呈することが分かっており強い全身倦怠感や疲労感、日常生活に支障の出る息切れや記憶障害などさまざまな症状に患者さんが苦しんでいることが分かってきており、後遺症に苦しむ人は世界中に1億人を越えるとも報告されています。感染者数の増加に伴い国内でも後遺症で苦しむ方が増加傾向にあります。 Suisoniaを用いたこの臨床試験にはCOVID-19後遺症と診断されたモスクワ大学病院の医療関係者60人が参加しています。30人ずつsuisoniaを使用するグループと使用しないグループに分け、試験開始時点と10日後に後遺症の状態を調べる検査や判定を行い血液検査や呼吸機能検査、肺のCT、運動機能テストなど、69項目におよぶ検査の結果から下記のような有意な作用が確認されています。

【suisoniaの使用により改善された事項の例】

  • 6分間に歩行できる距離がsuisonia使用群では1.5倍に伸びた(不使用群は変化なし)。
  • suisonia使用群では酸素が全身にしっかり運ばれるようになった。
  • suisonia使用群では血流が滞っていた血管の状態が改善された。
  • suisonia使用群では「階段で2階に上がれなかった患者が4階まで上がれるようになった」「疲労感がなくなった」など生活の改善に直結する報告が多数見られた。

上記結果を受けてこの報告においてはsuisoniaについて「COVID-19後遺症の治療に有効かつ安全であった」と結論づけています。

効果

強固なエビデンスとしては不足している状況ではあるものの水素吸入を行うことで、以下の作用や病気に対する予防、改善効果に関する様々な報告があり、その効用が示唆されています。

  • 抗酸化作用
  • 免疫の活性化
  • 慢性炎症の鎮静化
  • がん、動脈硬化、糖尿病の予防
  • 肥満、メタボリックシンドロームの予防
  • 各種がん、抗がん剤の副作用の軽減
  • 脳卒中、脳梗塞などの脳血管疾患
  • 心筋梗塞などの循環器疾患
  • 喘息
  • 花粉症などのアレルギー疾患
  • アトピー性皮膚炎を含む肌荒れ
  • 慢性疲労疾患
  • コロナ後遺症
  • 疲労回復など

リスク・副作用

  • 吐気・嘔吐
  • 気分不良
  • 頻尿
  • 催眠

除外基準

以下の患者については、治療対象から除外されます。

1) 重篤なアレルギーを有する、あるいは既往のある患者
2)重篤な活動性感染症を有する患者
3)治療を要する重篤な精神障害を有する患者
4)酸素非投与での動脈血酸素飽和度が94%未満の患者
5)透析を必要とする腎障害患者
6)妊婦あるいは妊娠している可能性のある患者および授乳中の患者
7)その他、本治療により不利益を受けると予測される患者、および本人ならびに家族(あるいは親族)の文書による同意が得られない患者など

未承認医薬品等であることの明示、入手経路等の明示

水素ガス吸入療法(水素吸入療法と同治療)は「心停止後症候群(院外心停止患者に対する水素ガス吸入療法)」において、2016年に厚生労働省が認める「先進医療」となりましたが、本治療は承認医療機器の承認目的外使用となります。日本国内では、未承認医療機器を医師の責任において使用することができます。
※近年問題となっている活性水素、マイナス水素イオン、プラズマ水素などの効果を謳う商品類と、当治療で応用する分子状水素(H2)とは無関係です。

国内の承認医薬品等の有無の明示

保険適応されている上記疾患に対する、医薬品医療機器等法上の承認医療機器は存在しますが、予防目的において承認を得ている医療機器はありません。

諸外国における安全性等に係る情報の明示

諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。

(参考文献)

1. Trials 22, 727 (2021).  PMID: 34674744
2. Critical Care Explorations: October 2021 - Volume 3 - Issue 10 - p e543
3. Front. Oncol., 06 August 2019
4. Med Gas Res. 2019 Jul-Sep; 9(3): 115–121.  PMID: 31552873
5. Oncol Rep. 2019 Jan;41(1):301-311 PMID: 30542740
6. Oncotarget. 2017 Sep 21;8(60):102653-102673. PMID: 29254278

治療の流れ(当院での治療は通院してお受けいただいております)

STEP-1 カウンセリング・問診医師が状態を診断し、治療の内容について詳しくご説明致します。

STEP-2 水素吸入療法1回60分吸入していただきます。
※治療頻度や回数については医師とご相談いただいております

STEP-3 治療効果の評価1セット治療の終了後に、治療効果を評価します。
また、検査の結果等参考にその後継続可能な治療を検討致します。

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